Kanazawa Jazz Days

Kanazawa Jazz Days

ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

Tethered Moon(菊地雅章, Gary Peacock, Paul Motian): First Meeting(1990,91) 得体の知れない深みに

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不思議なアルバムだ。聴けば聴くほど、得体の知れない深みに入っていくような、そんな感覚になる。3人でソロを渡しながら延々と続く。起承転結がない、循環する音を聴いているような錯覚を覚える。音をぶつけ合っても燃えない。昂奮もない。かといって、ECMのような作った冷たさはない。

沸点にも、凝固点にも距離があるような不思議な状態。個々の音はフリージャズ的な音ではないのだけど、時間軸を踏まえて聴いていくと、やはり不思議な逸脱感がある。

何よりも、それでいて一音一音が粒立ち、実に美しい。そう彼らに乗っ取られた時間を過ごすような。

Tethered Moon: First Meeting

Tethered Moon: First Meeting

 

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Tethered Moon(菊地雅章, Gary Peacock, Paul Motian): First Meeting(1990,91, Winter & Winter )
1. Tethered Moon (Masabumi Kikuchi) 19:19
2. Misterioso (Thelonious Monk) 12:34
3. Intermezzo(Gary Peacock, Masabumi Kikuchi, Paul Motian) / So In Love (Cole Porter) 8:37
4. First Meeting(Gary Peacock, Masabumi Kikuchi, Paul Motian) / Solar(Miles Davis) / Open Trio(Gary Peacock, Masabumi Kikuchi, Paul Motian) 17:19
5. P.S.(Gary Peacock) 9:00
菊地雅章(p), Gary Peacock(b), Paul Motian(ds)
Design: Stephen Byram
Engineer: Adrian Von Ripka, Yoshiaki Masuo
Executive Producer: Stefan Winter
Producer: 菊地雅章
Digital recording live to two track October 20th, 1990 and March 11th though 13th, 1991 at The Studio, New York City, USA.
Digital editing and mastering with Sonic Solution's Turbo Bit Mapping at Bauer Studios, Ludwigsburg, Germany, April 30th, 1997.

 

月 山口小夜子・山海塾(音楽:菊地雅章)

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写真・映像:横須賀功光 構成・振付:天児牛大 音楽:菊地雅章 出演:山口小夜子/山海塾

 

1987年,スストの後,シンセサイザ期の作品.残念ながら,病室に居るので,いつになったら見ることができるのか.

この時期の音は合わないのだけど,山口小夜子とか山海塾の映像も気になって,ということなのだ. 


 

大友良英:ジャズ・トゥナイト - NHK

昨夜,本当に久方振りにラジオを聴いた.

今,ジャズ番組は少ないようだ.ジャズを聴きはじめた時には,油井正一アスペクト・イン・ジャズ,本多俊夫のゴールデン・ジャズ・ステージ,NHKのセッション79(これはまだある),その他,イソノテルヲの番組もあったなあ,懐かしい.

NHK-FMのジャズ・トゥナイトは,昔SJ誌の編集長をやってられた児山紀芳さんが司会だったそうで(聴いたことがない),彼の逝去の後,大友良英さんの司会となったそうだ.

同世代の大友良英さんの話は,やはり面白かった.備忘のため放送された曲の一覧をアップ.

福島に来た阿部薫から勧められたマリオン・ブラウン(ハン・ベニンクが良い),渋谷ジャンジャンでの高柳昌行のライヴ(客席に殿山泰司,清水俊彦,副島輝人が)のことなどなど.さすがにインスピレーション&パワーでのライヴ「集団投射」は3分もかけなかったが,一部でも流れたのは凄い.かけた本人もインパクト(ラジオのスイッチOFF)を恐れていたが.

ということで,選盤が要らない時間は楽だなあ,と思った.ラジオを聴く習慣はないので,また聴くかわからないのだけど.面白い番組だった.

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Jon Irabagon: Behind The Sky (2014) これ,いいアルバムだなあ

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イラバゴンは聴いたことがなくて,変なバンド名(Killingなんて物騒な)とか変なジャケット(名盤パロディ)もあって,変な奏者に違いない思い込みがあった,というか,そうじゃないの?

実は昨年のニューヨーク滞在時にライヴがあって,凄く気になったのだけど,マリア・シュナイダーテレンス・ブランチャード(ファビアンが出るので)に.一晩に3セットは回れなかった.

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前置きが長くなったが, このイラバゴンのアルバムは素晴らしい.変態性ゼロで(物足りない),剛速球のジャズでそのスピード感がたまらなく良い.イラバゴンのブロウは割とオーソドックスな感じで,グロスマンと似た系統かなあ,とても好み.そしてバックのピアノ・トリオの速度感もピッタリで,抜きつ抜かれつ.知らない奏者ばかりだけど,良し.

企画的にはトム・ハレル参加が目玉なのだろうが,ボク的には不要.じっくり完成度を高めたような感じが,(表には出ないが)チラチラ見えるイラバゴンの変な感じを押し殺して,ただの「現代ジャズ」にしているように思えたから.ハレルの演奏は良し,なんだけどね.

次は変態性を期待し,別のを聴いてみる.

Behind the Sky

Behind the Sky

 

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Jon Irabagon: Behind The Sky (2014, Irabbagast Records)
1. One Wish(Jon Irabagon) 7:25
2. The Cost Of Modern Living(Jon Irabagon) 6:01
3. Music Box Song (For When We're Apart)(Jon Irabagon) 7:23
4. Still Water(Jon Irabagon) 7:44
5. Obelisk(Jon Irabagon) 5:59
6. Sprites(Jon Irabagon) 8:19
7. Lost Ship At The Edge Of The Sea(Jon Irabagon) 5:44
8. Mr. Dazzler(Jon Irabagon) 7:50
9. Eternal Springs(Jon Irabagon) 7:22
10. 100 Summers(Jon Irabagon)5:59
11. Behind The Sky (Hawks And Sparrows)(Jon Irabagon) 6:42
Jon Irabagon(ts, ss), Tom Harrell (tp, flh on 4, 5, 9), Luis Perdomo(p), Yasushi Nakamura (b), Rudy Royston(ds)
Recorded April 24, 2014

Andrew Hill: The solo (2004) ヒル晩年のソロ

今朝、夜明けよりも随分前に起きた。この1週間ほど、仕事の書き物をしていてずっとそうだ。そのときの音楽には少しだけ気を遣う.静謐であり響きが美しいほうがいいが、作為は嫌だ。エグ味が強くなるから。

アンドリュー・ヒルの晩年のソロはいい。そこには自己陶酔はなくて、淡々としたピアノとの会話,仄かな愛がある。枯れたという言葉は適切でない。タッチした先に広がる響きが美しいし、その美しさを仕舞うように不協和音を出すときの厳しい視線,そんなものが交叉する時間が過ぎていく。

 

[2017-05-13]

台北から帰ってきたらDVDが届いていた。早速、聴く。最晩年の演奏だけど、衰えはない。実に美しい音だ。実は、というか、やはり映像はなくてもいいなあ。CDで十分だと思う。


[2017-05-12記事] ヒルの映像

ザ・ソロ [DVD]

ザ・ソロ [DVD]

 

twitterよろすず氏の呟きに、ヒルが何回か出てきた。最近になって、ボクにも気になる奏者である。かのBlue Note時代だけでなく、その後の長いキャリアを含め、全貌をゆっくり聴こうかな、と思う。あまりRVG刻印なんてコダワリを持たなければ、Blue Noteの数あるアルバムの入手も容易だから。

で、ヒルの魅力はなんだろうか。立ち位置的には、アイラーやコルトレーンに対するドルフィーのような印象。伝統的なスキームのなかにあるような見せかけ、のなかで、音そのものが表す場が、ときとしてアヴァンギャルドな美しさを孕む、そこに魅了される。

モンク系とか云われるが、随分違う。似ているのは打鍵の強さ、と、音の数くらいじゃないかな。しかし、その魅力の在りようは、ドルフィー、モンク、ヒル、あるいは菊地雅章は共通しているように思えるがどうだろうか。

 そんなヒルのDVDがあることを知った。その音源はapple musicで聴くことができて、これが実にいい。一体、いつ頃の演奏だろうか。晩年には違いないだろうか。ピアノという楽器を慈しみ、鳴らしきるように打鍵する。間に染み渡る残響。

勿論、DVDを注文。中古で半額以下だったからね。

(ネットで調べると2004年の演奏)


 

鳴らした場合(加藤一平, Yuki Kaneko, 村田直哉): ふつえぬ (2018) これライヴで聴かんといかんよねえ

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油断ならないアルバムだ。ややノスタルジイを纏ったギターが穏やかに緩やかに旋律を奏でる.そこに電気的なノイズっぽい音がelectronicsやturntableにより重畳され、時間とか秩序のようなものが整然とゆっくり狂いはじめる。そんな2つのstreamが並立しているようで、気がつくと意識のなかだけでなく、聴こえてくる音も、歪みのような空間感覚を交換・交感・交歓し、何か何やら状態に突入している。

一番近い「味」はメアリー・ハルヴォーソンのギター。割とゆったりとしたギターの旋律に時間を歪ませるような変調,的なフレーズを掛け合わせる。自己変調的な逸脱が音の快楽を作っている。やや最近はルーチン化の陥穽が気になるが。

このアルバムはそうでない。3人で音を飛ばしながら時間を歪ませるような変調を相互に掛け合わせている。相互変調,といおうか。そこにルーチン化の陥穽から抜け出たような面白さ,がある。

しかしCDでは掴み切れていない感覚があって、これライヴで聴かんといかんよねえ、と残念な気持ちで未だ病室に居るのが残念。

購入はこちらから:

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鳴らした場合(加藤一平, Yuki Kaneko, 村田直哉): ふつえぬ (2018)
1. D sleep (加藤一平)
2. えいしこ (加藤一平)
3. ふぃー 〜 ゆき (加藤一平)
4. ふつえぬ (加藤一平)
5. しかぞく (加藤一平)
6. らすく (加藤一平)
7. ぎあも (加藤一平)
8. てぃぱ (加藤一平)
藤一平(g), Yuki Kaneko(electronics, tape, toys ), 村田直哉( turntable)

角銅真実: Ya Chaika(2018) 耳元で囁きかけているようで

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 今日の夜明けはこれ。石若駿のアルバムで気になった声。

元来、日本の唄(あるいは唄い手)は苦手。歌詞のメッセージ性に感情が引っ張られるから。でも例外はあって、矢野顕子、浅川マキ、元ちとせは大丈夫だった。最近だったら、石橋英子小田朋美。歌詞のメッセージ性を越えて、声の楽器としての存在感が強く、また曲としての音空間のなかで過度に歌詞に依存しないというか....まあコトバそのものに軸足を強く置いていない,というか。

角銅真実のvoice、明け方の雰囲気によく溶け込んで、ひんやりと流れ、耳元で囁きかけているようで、何を云っているか分からない、これが良い。ただの音のような。しかし音響としてとても良く、素材として美味しい感じになっている。

アルバムの長さ,も良い。昔のレコードと同じ。良いアルバムで感じる、終わったときの音の渇望感、物足りなさが嬉しい。レコード世代には懐かしい、のである。

 

 

Ya Chaika

Ya Chaika

 

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角銅真実: Ya Chaika(2018, APOLLO SOUNDS)
1. Dance
2. 朝が夜を照らしている
3. 砂の毛布
4. -Tuning-
5. October 20
6. 1
7. so far
8. 2
9. Can you see it from the window?
10. Amadeus
11. Ya Chaika
12. March 8
角銅真実(vo, p, g, perc), 寺田耀児(g on 1,7,9), 葛城梢(Mandolin on 1,7), 日比彩湖 (Chorus, Perc. on 1,7,9), 横手ありさ(pianica, Chorus on 1,7), 岩見継吾(b on 1,7), 光永渉(ds on 1,7), 滝沢朋恵(g, on 1,2)
中尾美羽子(voice on 2), 石若駿(p on 5,10), 西田修大(g on 5,10), 佐藤公哉(vo on 10)



Sonny Rollins: The Bridge (1962) 夜明けにはロリンズの橋を

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夜明けにはロリンズの橋を聴いていた。と、いうのは面白いtweetが流れてきたから:

マンハッタンとブルックリンの間のウィリアムズバーグ橋の改名陳情,ソニー・ロリンズ・ウィリアムズバーグ橋,だそうだ.

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昨年,マンハッタンでレコード屋をまわったとき、イースト・ブロードウェイ駅で降りた。そのときはイースト・ブロードウェイの名前で,ロリンズのインパルス盤を思い出した。メトロ駅近所のカフェでニヤリとしてた。

 

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その先に、ロリンズといえば、の「ジャズ蘊蓄No.1」の橋があったとは。

 昔、安レコードのオリジナル盤を入手していたが、聴いていなかった。夜明けにゆっくり聴いていたが、案外,良かった。もう1950年代後半のダークな雰囲気(エルヴィンとのヴィレッジ・ヴァンガード大好き)はないのだけど,ジム・ホールが奏でるギターが新しい時代、今のジャズに繋がる、の空気を流し込んでいる。新鮮。あまり人気のないRCA時代のアルバムだけど、いろいろ試していたのだな。ロリンズの音は大きく変わっていないのだけど。

これ以降,時代の音に付き合いながらも、微妙に距離感をとって自身の音を出し続けたロリンズの再出発の時だった、ということを朧気に感じた。

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[2016-11-06の記事] オリジナル盤

 レコード棚を整理していたら、オリジナル盤が出てきた。全く記憶がなかった。ジャケットがボロボロなので、多分、とても安価に入手したような気がする。聴いてみたが、日本盤と際だった差はないように思った。米RCA盤も割と柔らかな音。クセがない。クセがない、のは決して悪いことでなくて、彼らの演奏をとても素直にバランスよく捉えているので、ストレスもまったくない。

 それにしても、犬のマークHis master's voiceの絵は懐かしいなあ。日本ビクター健在のときは随分と見かけたのだけど。VHSが終焉し、松下傘下から離れたあと、随分と影が薄くなったなあ。

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[2016-11-5の記事] Bob Cranshawの訃報

 昨日の朝、FBの本田珠也氏の投稿でBob Cranshawの死を知った。ボクには1970年代のロリンズのアルバム(Milestone)での電気ベース奏者、の淡い印象。Bob Cranshaw含め、氏が取り上げた4人のベーシストが何れも意外で、聴いてみようと思った。

 ボクがBob Cranshawをナマで聴いたのは1回じゃないかなあ。1980年頃に京都の岡崎でのロリンズのライヴ。懐かしい。演奏はゴリゴリ吹きまくったロリンズの印象だけが微かに。会場を出たときの暗さ、が妙に印象に残っている。Bob Cranshawは、覚えていない。

 昨夜、早速この「橋」を聴いた。ロリンズが好きだった亡父のモノ。1800円の廉価盤だけど、日本盤「なり」の良さを感じる柔らかい再生音。悪くない、と思えるのは、ロリンズの音も丸い感じで、柔らかく、音を敷き詰めないで吹いている。昔、1回だけ聴いて、面白くないと思った記憶があるが、今はこのくらいが丁度いい。ジム・ホールのギターが実に良くて、ロリンズの音数にぴったりの伴奏。うまい。

 で、Bob Cranshawだけど、控え目にどっしりと刻んでいる。音が実にいい。プロの奏者が云う良さ、はボクには分からないのだけど、電気ベースの彼とは違う音、を聴いたような気がする。

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Sonny Rollins: The Bridge (1962, RCA)
A1. Without A Song 7:23
A2. Where Are You 5:05
A3. John S. 7:36
B1. The Bridge 5:55
B2. God Bless The Child 7:24
B3. You Do Something To Me 6:45
Sonny Rollin(ts), Jim Hall(g), Bob Cranshaw(b), Ben Riley, H. T. Saunders (ds)
Producer: Bob Prince
Recorded in RCA Victor's Studio B, New York City

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RCAの廉価盤

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Ben Monder: Flux (1997) 好きだなあ、こんな音

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 先日、以下のサイトを拝見。ああそうだ、久しぶりに聴かなきゃ、と思った:

助かるなあ、記憶力薄弱な年頃なので適切な外部トリガーは嬉しい。勿論、ECMのアルバムやブレックマンとの共作で、好み、それも好みの中心のギター奏者と知っていたが。50代で気になった奏者は頭のルーチンに這入り難い。哀しい。

昨年、マリア・シュナイダー・オーケストラを聴いた時、異彩を放っていた印象が強く、また聴かなきゃ、と思った筈なのだけど:

このアルバムはデビュー・アルバムなのだけど、がっちり好みを突いてくる。共演のジム・ブラック、ドリュー・グレスまさに好みの線なので、瞬間瞬間がハマってくる。何回も書くが、2000年以降のビル・フリーゼルへの残念感が「奇妙な味」の喪失にある。ベン・モンダーは「奇妙な味」を持っている訳ではないが、3人が作る音場の「ヒネリ」「ネジリ」のようなものが、美味しいのだ。

ああ好きだなあ、こんな音。北澤さん、有難う。

追記:しかし、1997年にこの音を聴いて、同じ感覚になったか、どうだろうか。これを聴いて思い出すのは、モチアンのElectric bebop band。2000年過ぎにヴィレッジ・ヴァンガードで聴いたが、あまり面白いと思わなかった記憶がある。今、の感覚で遡行するから面白いのか、そんなことを感じたり、考えたりすことは、嫌いじゃない。面白い。

Flux

Flux

 

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Ben Monder: Flux (1997, Songlines Recordings)
1. Muvseevum 6:40
2. Flux 8:32
3. Food For The Moon 8:13
4. Red Shifts 2:02
5. Jello Throne 9:48
6. Don't Look Down 5:11
7. Orbits 7:05
8. O.K. Chorale 7:39
9. Lactophobia 3:11
10. Propane Dream 8:33
Ben Monder(g), Drew Gress(b), Jim Black(ds)
Engineer: Bob Ward, David Baker, Fred Kevorkian, Richard Roeder

Anthony Braxton: Five Pieces 1975 (1975) ブラックストンの管の音

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ブラックストンの膨大な作品は勿論、殆ど聴けていない。だから彼のことは何も知らない。だけど1972年のコリア抜きのサークル=ブラックストン・トリオで聴くことができる音は大好きだ。音を解体しながら、舞う一つ一つの音の切片がビートを形作り、それが怒濤のように聴き手を惹き込んでいく。またブラックストンの管の音の美しさ、一音一音の確かさ、のようなものに驚いてしまう。 ホランドもアルトシュルも同じ指向の奏者だと思う。そこからは1+1+1>>3の世界が垣間見える。

このアルバムもその延長線上。冒頭のブラックストンとホランドのデュオで持っていかれる。ジャズの太いビートがあって、もう満足。この時期のアリスタのアルバムがとても良い。ちゃんと聴かなきゃ。

実はこのアルバムのレコードは既に入手済み:

 

録音がECMの米国録音でおなじみ?のTony May。ECM的なイコライズが入らない、明澄な音に違いないのだ。早く聴きたくなった。

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Anthony Braxton: Five Pieces 1975 (1975, Arista)
A1. You Stepped Out Of A Dream (Macio Herb Brown) 7:09
A2. G - 647 (BNK - [] (Anthony Braxton) 4:35
A3. 4038 -- NBS 373 6(Anthony Braxton) 8:05
B1. 4 8 9 M 70 - 2 -- (TH - B) M(Anthony Braxton) 17:17
B2. BOR - - - - H N - K 64(Anthony Braxton)3:23
Anthony Braxton(as, ss, fl, Contrabass-cl, alto-fl), Kenny Wheeler(tp, flh), Dave Holland(b), Barry Altschul(ds)
Engineer: Tony May
Producer : Michael Cuscuna
Executive-Producer: Steve Backer
Recorded at Generation Sound, New York City, July 1 & 2, 1975

Emanuele Maniscalco,Thomas Morgan: Copenhagen Season(2014) すっと空間に溶け込んだような

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トーマス・モーガンとイタリアのエマヌエーレ・マニスカルコのデュオ。想像の通りの静謐な対話。まさにECM的な音場なのだけど、残響処理があっさり、なので、むしろ心穏やかな淡々とした対話の様子、が伝わる。

 強い求心力を感じさせることもなく、二人でポロポロと音を出す感じ。それが控えめな彩色なのだけど、すっと空間に溶け込んだような抽象画のような印象を与える。

ストリーミングしかないようである。HiFiな音源はTIDALしかないみたい。そんな時代になってきたなあ。

やはりトーマス・モーガンはいいなあ。

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Emanuele Maniscalco,Thomas Morgan: Copenhagen Season(2014, ILK)
1. Ila
2. Ilb
3. Ill (There Is No I)
Emanuele Maniscalco(p), Thomas Morgan(b)


Joni 75: A Joni Mitchell Birthday Celebration(2018) 過ぎた時間を慈しむ

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ジョニ・ミッチェルの名前を知ったのは1979年。買いはじめたSJ誌にジョニ・ミッチェルの新譜「Mingus」のクロス・レビューが載っていたのだ。その中に日本のジャズ奏者が居て酷評していたことが記憶に残っている。永く金井英人の論評と記憶していたが間違い。高柳昌行だった。彼の著書を読んでいて出て来たので吹き出してしまった。道理でね。

ボクのジョニ・ミッチェルの入り口はShadows and Light。バックバンドが凄い。マイケル・ブレッカーパット・メセニー、ラリル・メイズ、ジャコ・パストリアスそしてドン・アライアス。その映像も見たかったのだけど、随分後。VHSのヴィデオを入手したときには小躍りしたな。

そしてShadows and Lightから遡ってレコードを入手。随分と聴いている。というのは、金沢で長く通ったバーの親父が良く聴かせてくれたのだ。だからジョニ・ミッチェルの曲は、Shadows and Lightから古いアルバムのものは耳に馴染んでいるし、同時に金沢郊外の薄暗いバーのカウンタの光景、も浮かぶのだ。

そのジョニ・ミッチェルも病気を患い、現役ではなくなっている。FBのファンサイトをみていると、急激に老け込んだようで悲しい。その彼女へのトリビュート・コンサートのアルバムが出たことを知った:

そんな訳で今朝はこのアルバムを繰り返し聴いている。全部ではないが、大半の曲は原曲の空気を損なうことなく、カヴァーしている。一曲目Dreamland の打楽器の音がShadows and lightのアライアスを彷彿とさせ、もうそれだけで嬉しくなっている。そして、このアルバムを聴きながら呑んで、カウンタ越しにあれやこれや語ることができなくなった彼、のことも思い出して残念でならない。ジェイムス・テイラーも入っているよ、って。

今の音楽を聴きながら、過ぎた時間を慈しむ、そんな感じだ。

 

Joni 75: a Joni..

Joni 75: a Joni..

 

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Joni 75: A Joni Mitchell Birthday Celebration(2018)
1. Dreamland – Performed by Los Lobos
2. Help Me – Performed by Chaka Khan
3. Amelia – Performed by Diana Krall
4. All I Want – Performed by Rufus Wainwright
5. Coyote – Performed by Glen Hansard
6. River – Performed by James Taylor
7. Both Sides Now – Performed by Seal
8. Our House – Performed by Graham Nash
9. A Case Of You – Performed by Kris Kristofferson & Brandi Carlile
10. Down to You – Performed by Brandi Carlile
11. Blue – Performed by Rufus Wainwright
12. Court And Spark – Performed by Norah Jones
13. Nothing Can Be Done – Performed by Los Lobos
14. The Magdalene Laundries – Performed by Emmylou Harris
15. Woodstock – Performed by James Taylor
16. Big Yellow Taxi – Performed by La Marisoul, James Taylor, Chaka Khan, and Brandi Carlile

Woody Shaw: Live in Chicago, The Jazz showcase 1979 (1979) やや食傷気味ではあるが

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 Spotifyに上がっているのを見つけ、朝から聴いている。ショウの絶頂期・コロンビア時代のライヴ。FM音源らしく、何種類もブートが出ているようだ。はじめて聴く。

 ボクはStepping stonesでショウに魅了されたので、ジェファーソンとのバンドが一番好きだ。だから、このライヴはまさに剛速球で気持ちの中心を射貫く。最近はショウの息子による活発な発掘音源リリースにより、やや食傷気味ではあるが、聴くと文句なく良い。歪みの少ない美しく柔らかい響きで、ぐいぐいビートを押してくるソロ、そこに尽きるのだ。

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Woody Shaw: At Jazz showcase 1979 (1979, Bootleg)
1. Introductions 00:34
2. Auld Lang Syne 05:53
3. Seventh Avenue 17:09
4. In Your Own Sweet Way 21:11
5. Rosewood 17:23
6. All Of You 06:38
7. Stepping Stones 01:43
Woody Shaw(tp, flh), Carter Jefferson(ss, ts), Larry Willis(p), Stafford James(b), Victor Lewis (ds)
Live at Jazz Showcase, Chicago, Il, USA, December 31th 1979

Colored music(橋本一子, 藤本敦夫): Individual Beauty (1981-83) Colored Musicの「新作」

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 昨年、レコードとCDで発売されたアルバム。勿論、レコードを購入。ほぼ40年近く前に発売された橋本一子と藤本敦夫のColored Musicの「新作」。1981年から83年に録音された未発表トラックを集めて作ったもの。まさか今頃にそんなものが、という驚きだった。清水靖晃や高田みどりなど、当時の音源が次々とレコードで再発される昨今、彼らにも波及。

一つ一つの曲は紛れもなく、1980年代はじめの彼らの音。ジャズのようなジャズでなく、ジャンル不詳のポップ。Colored Musicだけでは少し物足りなかった(もう少し聴きたい)ので、これは嬉しい新作だった。

残念なのは、嬉しさと裏表。沢山詰め込まれているので、冗長の感あり。アルバムとしての焦点が定まらぬ、印象。

しかし、それは聴き手が好きな曲を集めて、勝手に自分のアルバムにしちまえばいいのかなあ、なんて思ったりもしているのだけど。

INDIVIDUAL BEAUTY

INDIVIDUAL BEAUTY

 

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Colored music: Individual Beauty (1981-83, SOLID/ORGANIC MUSIC)
1. De To Re Mi (未発表曲)
2. Tamare Kurawanka (橋本一子『Beauty』(1985年)収録曲の未発表オリジナル・バージョン)
3. After the Intelligence (未発表曲)
4. Ambient Discotique (未発表曲)
5. Trick or Treat (未発表曲)
6. We are Only Dancin’ (橋本一子『Beauty』(1985年)収録曲の未発表オリジナル・バージョン)
7. Heartbeat (『Colored Music』(1981年)収録曲の未発表バージョン)
8. Night Paradise (未発表曲)
9. Kitsune (橋本一子『Beauty』(1985年)収録曲の未発表オリジナル・バージョン)
10. Love Season (未発表曲)
11. Angel (未発表曲)
藤本敦夫 (vo, g,tech), 橋本一子 (vo, key), 横山雅史 (b, cho), 木村万作 (ds, cho), 原田佳和 (ds), 石井AQ (tech, cho), 大津真, 道祖尾昌章,伊藤ひとみ, 渡邉浩世 (cho)
録音:1981年~1983年