Kanazawa Jazz Days

Kanazawa Jazz Days

ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

Tony Williams: The Joy Of Flying (1979) 到達点

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 今になって聴くと、しんどいなあ1979年頃のトニー・ウィリアムス。当時も、1960年代の新星としての名声が殆どで、1970年代のアルバム。楽曲はあまり話題にならなかた、と思う。だから、ハンコックとのVSOPでの存在感が圧倒的で、という状態。

 このアルバムもスタンリー・クラークやRTFのイミテーション風で、豪華なメンバーの割りには、ベンソンのソロくらいしか聴き所がない。そもそも、ドラムが重厚で跳ねない、のが痛い。A4は1978年の田園コロシアムなんだけど、今ひとつ。B2はドラムに焦点を当てたので、ドラムだけはいい。ハマーのキーボードはしんどいなあ。

 このアルバムは1979年に出て、丁度、ボクがジャズを聴きはじめた年。スィング・ジャーナル誌を熱心に読んでいたので、微かにディスク評を覚えている。異色の一曲、B4に集中。そう、セシル・テイラーとのデュオ。曲の冒頭からセシルはセシル。ドラムに血流が通り出すのが分かる。セシルのパルスを載せるような細かなうねり、のようなタムを繰り出す。そして、爆発的な対峙。VSOPの少し先のトニー・ウィリアムスを聴くことができる。これが彼の到達点であり、以降、前には出ていないように思える。

 1970年代のアルバムを聴いていて、時代を深く追いかけ過ぎて、乗り損なった哀しさ、を感じさせるのは寂しい。1980年代の過去に戻っていく姿とあわせて。

 なんだか、セシルとマックス・ローチのデュオを聴きたくなった。やはり、セシルを聴くには短くて、不完全燃焼。

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Tony Williams: The Joy Of Flying (1979, Columbia)
A1. Going Far (Jan Hammer) 4:13
A2. Hip Skip(George Benson) 8:03
A3. Hittin' On 6 (Tom Scott) 6:18
A4. Open Fire (Edgar Winter, Ronnie Montrose) 6:15
B1. Tony (Stanley Clarke) 6:50
B2. Eris (Jan Hammer) 3:33
B3. Coming Back Home (Jan Hammer) 6:06
B4. Morgan's Motion (Cecil Taylor) 8:18
Tony Williams(ds, perc), Randy Brecker(tp), Barry Rogers(tb), Michael Brecker(ts), Tom Scott(lyricon), David Sanborn(as), Ronnie Cuber(bs), Jan Hammer, Herbie Hancock, Brian Auger (key), Cecil Taylor(p), George Benson, Ronnie Montrose(g), Paul Jackson, Stanley Clarke, Mario Cipollina(b), Ralph MacDonald(perc),
Producer: Tony Williams
Track A1 and B2 recorded and mixed at Red Gate Studio, Kent, New York.
Track A2 and B3 recorded at CBS Recording Studios, New York, and mixed at Secret Sound, New York. Horns recorded at Secret Sound, New York.
Tracks A3 and B1 recorded and mixed at The Automatt, San Francisco, CA.
Track A4 recorded live at Denin Coliseum, Tokyo, summer of '78 and mixed at Secret Sound, New York.
Track B4 recorded and mixed at CBS Recording Studios, New York.
Mastered at Sterling Sound.

 

曲ごとのpersonalは

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Anatol Ugorski: Messiaen/鳥のカタログ(2003) 改めて聴き直す

 クルマに乗っていた。iPODクラシックを車内の音響装置につないであって、ランダムに再生させている。今日、メシアンの鳥のカタログがかかった。今、アヴァンギャルドな感じのジャズを聴いているのだけど、気持ちは音響的なものに向いている。ティボーンもそういった流れなのだけど、ウゴルスキが弾くメシアンの楽曲の破壊力は凄まじい。音響の塊であり、その美しさ、は例えようもない。しかも、それが放つ奇妙な味もなかなか辛い。改めて聴き直してみると、最初に感じた難解さ、よりも音響を肥大化させた音の極北のように感じた。面白い。

 

[2012-09-27記事] 彼方に見える音空間の扉

 突然、夏が終わった。この1年ばかりは、季節の結節点で気分がおかしくなることは無かったのだけど、今年は様子がおかしい。久しぶりの感覚。気持ちが冴え渡って、感覚のなかにある熊手のようなものが、随分遠くまで伸びていくような、指呼の距離に月があるように感じたり、耳を澄ますと彼方を走る列車が鉄橋を渡る様が聞こえたり、するような感覚といおうか。だから睡眠も短くなり、大気の様子が変わると、もう寝ていられない。

 だから、印度支那から帰ってきてから楽しく聴いていた身体性が高いオトも次第に消えていき、透明度の高い音が欲しくなってきた。

 今朝、夜明けとともに目覚めて聴いているのはメシアンの鳥のカタログ。随分と前に手に入れたのだけど、音楽という定義の周縁に位置するような音で、ちょっと聴いて閉口してしまったもの。メシアンが鳥のさえずりを楽譜に落としたものだという。

 ジャズの世界でも、いわゆるFree JazzやImprovised Musicのようなものを随分と聴いたのだけど、結局、反伝統のような反**のオトの在り方のつまらなさに気がついてしまった。中上健次には、「破壊せよ」とアイラーが云ったように聞こえたのだろうが、破壊に意味を見いだす純真さには目眩をしてしまう。新しいオトへの限りなき訴求であってこそ、意味があるように思える。だから、そのオトのフレームワークが伝統的であろうと反伝統的であろうと、純粋な音そのもののが与える心象でしか価値は計れないのではないか。

 この鳥のカタログを聴いていて、鳥をプロセスとした作曲が音楽という枠をすっとはずしてしまい、純粋に音であることを主張するような在り方に驚いてしまった。鳥のさえずりは美しいオトではあるが、音楽ではない。鳥のさえずりをなぞったピアノのオトは音楽なのだろうか?ただ美しいオトの躍動。

 そんなヒトの手により構築された音楽概念を軽々と飛び越えるようなオトの自由な響き、前衛であるとかどうとか、破壊であるとかどうとか、そんな次元から高く飛翔したオトの面白さ.....

 透明度が高い空から響くような天のさえずり、を聴きながら、それを感じることが秋がはじまったことである、と感情の基層からの信号を確かに受け取ったように思った。彼方に見える音空間の扉が開いたような朝。

 あっ、書き忘れそうになったのだけど、ウゴルスキのピアノの音は純度がとても高く、どの音も美しく煌めくようにきこえる。だから、メシアンも改めて聴き直そうと思うのだけど、ウゴルスキのオトも聴こうかな、って思っている。

Catalogue D'Oseaux / La Fauvette Des Jardins

Catalogue D'Oseaux / La Fauvette Des Jardins

 

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Anatol Ugorski: Messiaen/Catalogue D'Oseaux鳥のカタログ, La Fauvette Des Jardins(2003,DG)
    1. Le Chocard des Alpes キバシガラス
    2. Le Loriot キガシラコウライウグイス
    3. Le Merle bleu イソヒヨドリ
    4. Le Traquet Stapazin カオグロヒタキ
    5. La Chouette hulotte モリフクロウ
    6. L'Alouette lulu モリヒバリ
    7. La Rousserolle effarvatte ヨーロッパヨシキリ
    8. L'Alouette calandrelle ヒメコウテンシ
    9. La Bouscarle ヨーロッパウグイス
   10. Le Merle de roche コシジロイソヒヨドリ
   11. La Buse variable ノリス
   12. Le Traquet rieur クロサバクヒタキ
   13. Le Courlis cendré ダイシャクシギ
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   14. La Fauvette des jardinsr

橋本一子、中村善郎のコンサート(streaming音源)

重篤な橋本一子ファンのH松さんに教えてもらった、橋本一子中村善郎のコンサート(streaming音源):

JazzToday - 橋本一子&中村善郎 LIVE

 期間限定みたい。良かったですよ。ただの緩いボッサ、ということでもなくて、キラっとピアニズムが光る。


 

遠来の友人をもてなす

 かれこれ30年のつきあい、の友人が来た。1985か86年に北岳に登ったメンバー。そのときの2名が来訪の予定だったが、1名は体調不調。寄る年波には勝てない。同じ会社の3名だったが、やってきたT君を最後に全員離脱。40代末からの「キャリアの危機」をなんとか乗り越えた安堵感、はある。

 一日目は疲れていたので、友人をピックアップし新中宮温泉へ。「けがさ」で昼食。熊鍋定食。そのあとは、ゆっくり温泉に浸かり、休憩。

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夕食は高尾の箸一へ。普段からおいしい店なのだけど、今回はしみじみ美味かった。良い刺身の店なのだけど、今回はとびっきり。

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ちょっとビックリの肉厚の穴子

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牡蠣天も見かけはともかく美味し

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〆は今期最後の「香箱炒飯」

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翌日は、残雪のこる渓流の奥に入って、大いに冷たくも気持ちよい空気を楽しんでもらった。

 

Craig Tabornを聴く

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 幾つかのアルバムを聴いているうちに、クレイグ・ティボーンの音響的な良さ、にすっかり魅了された。という訳で、給料日の後、ということもあり、安価な中古盤を一気に集めてみた。勿論リーダ作は僅かで、共演作なのだけど。

 上の写真に一枚だけ、ティボーンが入っていないアルバムが混じっている。勢いで、違うのも買っていたようだ。欲しかった一枚なので、良かったけど。

 

 

 

 

 

 

Roy Haynes: Senyah (1972) 音がどうだか、なんてどうでもいい

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  これは凄い。ジョージ・アダムスとマーヴィン・ピータソンを全面に、ロイ・ヘインズを含むリズム陣は1970代初頭の「最先端」的なグルーヴを電化楽器で繰り広げる。丁度、菊地雅章ギル・エヴァンス・オーケストラの日本録音盤をコンボにしたような感じ。

 特にマーヴィン・ピーターソンは本人のアルバムがやや観念的な印象が強いのに対し、アダムスと競って吹く様は爽やか。実にいい音を出している。アダムスは何処でも一緒だけど。すかっとグルーヴ、咆吼を楽しめる佳盤。

 ボクが入手したのは日本盤で1000円しなかったと記憶。感じ。演奏が炸裂している。

Senyah [12 inch Analog]

Senyah [12 inch Analog]

 

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Roy Haynes: Senyah (1972, Mainstream)
A1. Sillie Willie 7:48
A2. Little Titan 7:22
B1. Senyah 5:30
B2. Full Moon 6:14
B3. Brujeria Con Salsa 4:01
Roy Haynes(ds), Marvin Peterson(tp), George Adams(ts), Roland Prince(g),Carl Schroeder(p), Don Pate(b), Lawrence Killian(congas)
Producer: Bob Shad

Bill Evans: The Solo Sessions Vol. 1 (1963) 軽い退廃的な空気、の美味しさ

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 レコードのことが気になると、勢い古いオリジナル盤に眼がいく。実際、薄皮が剥がれたような音を目の当たりにして、何を聴いていたのだろうか、と思うことも多い。とりわけ楽器の放つ音響的な側面に意識が行けば、尚更である。

 問題なのは、そのような意識に囚われた瞬間、そこから楽しみが失せていくこと。偏狭な蒐集癖だけが意識に残ってしまう。それもなあ、と、また思う。音楽を聴く楽しみを狭めるようにも思う。

 最近は幸いなことに、旧譜、新譜、CD、レコードとふわっと分散して聴いていて、それがまた良い。適度に意識が分散している。古い録音も良い日本盤でも良いかな、と思えている。オリジナルあるいはオリジナルに近い盤に固執して、聴くことができない損失が気になるようになってきた。だから、ブルーノートなんかも、質の良い日本盤でいいかな、と思い直している。旧東芝盤、キング盤、新東芝盤、いずれも水準は超えているのではないか。

 このアルバムはThe complete Riverside RecordingsというハコモノLP18枚組で紹介された後、単独の販売となった様子。昨日のアルバムと同様の、穏やかで丸い音。 

 当時のRiversideの音と比べると角が落ちたような印象があって、エヴァンスのピアノのタッチの強さ、は伝わらない。しかし、彼のピアノの美しさは十分伝わる。夜、静かに聴きたいようなアルバム。ジャズ的な昂奮はなく、内省的な演奏なので当時は発売されなかったのか、と思う。まだ時代よりも早かった、のだろう。遅い演奏のなかの軽い退廃的な空気、は格別な美味しさがある。

 

追記:このアルバムの続き、vol.2はCDのみ。ボックスを入手しないとレコードでは聴けない模様。悩ましいことである。

 

Solo Sessions 1

Solo Sessions 1

 

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Bill Evans: The Solo Sessions Vol. 1 (1963, Milestone)
A1. What Kind Of Fool Am I? 6:13
A2. Medley: My Favorite Things, Easy To Love & Baubles, Bangles, And Beads 12:27
A3. When I Fall In Love 3:01
B1. Medley: "Spartacus" Love Theme & Nardis 8:37
B2. Everything Happens To Me 5:41
B3. April In Paris 5:51
Bill Evans (p)
Engineer [Recording Engineer] : Bill Schwartau
Mastered by George Horn
Producer – Orrin Keepnews
Recorded at Sound Makers Studio (New York City) at January 10, 1963.

Bill Evans: Conception (1956, 1958, 1962) 1981年当時の未発表テイク、ダニーボーイ

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 美味しい記事が出るブログを読むのは楽しくも、過剰な物欲が刺激され困る。最近は煩悩に従順な日々を送っているのでなおさら。このアルバムもそう。

 かなりマメにエヴァンスのFantasyやMilestoneのre-issueは入手したと思っていたが、漏れていた。このアルバムの1枚目はNew jazz conceptions。

 

2枚目はまるまるが未発売の録音。調べると、日本では同時期のEasy to loveという題名で1枚モノが販売されていた。1981年当時の未発表テイク集で、ソロ主体。

 前述の記事でも書かれているが、まとまった分量のソロを楽しむことができる。ソロを聴いて感じるのは、エヴァンスのソロは初期(といってもレコードデビューが遅かったので30歳頃だけど)から晩年まで、大きな変化はなく、スタイルが一貫している。だから、このアルバムも未発表というレベルのものではない。

 聴いていて、以前、Kさんから問い合わせのあったダニー・ボーイ(youtubeで聴ける)が、このアルバムに収録されていることに気がついた。

 ソロだけを繋いで聴いていると、実に良いアルバム。音質も満足できる。エヴァンスのMilestoneやFantasyの未発表録音集は全部持っているのか、気になってきた。確認するのも面倒だけど。

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Bill Evans: Conception (1956, 1958, 1962, Milestone)
A1. I Love You (Cole Porter) 3:52
A2. Five (Bill Evans) 4:01
A3. I Got It Bad And That Ain't Good (Ellington, Webster) 1:36
A4. Conception (George Shearing) 4:43
A5. Easy Living (Robin, Rainger) 3:49
A6. Displacement (Bill Evans) 2:33
B1. Speak Low (Weill, Nash) 5:06
B2. Waltz For Debby (Bill Evans) 1:16
B3. Our Delight (Tadd Dameron) 4:42
B4. My Romance (Hart-Rodgers) 1:54
B5. No Cover, No Minimum (Take 2)(Bill Evans) 7:30
C1. No Cover, No Minimum (Take 1; Previously Unissued) (Bill Evans) 8:09
C2. Some Other Time (Green, Comden, Bernstein) 6:13
C3. Easy To Love (Porter) 4:40
D1. Danny Boy (Trad.) 10:37
D2. Like Someone In Love (Burtke, Van Heusen) 6:25
D3. In Your Own Sweet Way (Dave Brubeck) 2:54
Bill Evans(p), Teddy Kotick (b on A1, A2, A4-B1, B3, B5), Paul Motian (ds on A1, A2, A4-B1, B3, B5)
Engineer : Jack Higgins (tracks: A1-C1), Ray Fowler (tracks: C2-D3)
Producer : Bill Grauer, Orrin Keepnews
Remastered by George Horn
Sides A and B originally released as New Jazz Conceptions, record in New York, September 27, 1956.
Sides C and D previously un-issued, recorded April 10 1962, except C1 1956 and C2 December 15 1958

向井滋春: Favorite Time (1976) 1970年代ジャズの愉しみ

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 1980年頃のテイチクの再発シリーズの一枚。このとき、富樫のspeed and spaceと山下洋輔のconcert in new jazzを購入した記憶がある。これは先日、帯の惹句コルトレーン・ナンバー」で引っかかって、購入。1000円もしないが、大正解。1970年代ジャズの愉しみ、そのもの。

 トロンボーンは苦手だけど、向井は早いフレーズを繰り出して、そんな「反トロンボーン派」の懐柔を謀る。afro blueとか Impressionsだもんね。驚いてしまう。想像通り、板橋文夫のピアノが溢れ出るようにドライヴしていく快感。なかなか。録音も普通にいい。LP末期の円熟した、バランスの良い音。嬉しい。

 面白かったのは、ギターとトロンボーンのデュオ。なかなか聴かせる演奏で、これで別の一枚を作ったら面白かったのに、と思った。



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向井滋春: Favorite Time (1976, Teichiku/Union)
A1. Afro Blue (J. Coltrane) 11:11
向井滋春(tb), 渡辺香津美(g), 板橋文夫(p), 望月英明(b), Oliver Johnson(ds)
A2. Old Folks (D. L. Hill0 3:32
向井滋春(tb), 渡辺香津美(g)
A3. Autumn Leaves (J. Kosma) 6:38
向井滋春(tb), 渡辺香津美(g), 板橋文夫(p), 望月英明(b), Oliver Johnson(ds)
B1. Impressions (J. Coltrane) 8:40
向井滋春(tb), 渡辺香津美(g), 板橋文夫(p), 望月英明(b), Oliver Johnson(ds)
B2. In A Sentimental Mood (D. Ellington) 4:37
向井滋春(tb), 板橋文夫(p), 望月英明(b), Oliver Johnson(ds)
B3. Stella By Starlight (V. Young) 4:55
向井滋春(tb), 板橋文夫(p), 望月英明(b), Oliver Johnson(ds)
Engineer [Recording] : Shinichi Kikuchi
Producer: Toshiaki Sugimoto

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高橋知己, Elvin Jones : Another Soil (1980) あの時代

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 何とも凄い時代。音楽産業がバブルの時代。ジャズ奏者のアルバムがメジャーから溢れるように出て、しかも海外の有名奏者も加わる。1980年。ボクがジャズを聴きはじめた頃はそんな時代。ジャズ・フェスティバルは全国に乱立し、何処も数千人の入場者。だからこそ、このような盤も生まれたわけで、今がちょっと寂しい。

 高橋知己を最初に聴いたのはNHKのFM放送でのライヴ。植松孝夫のセッション。元岡一英らと出演。コルトレーン的な二人の咆吼が暗く、格好が良かった。

 このアルバムでは、エルビンを迎えたのでコルトレーン張りの世界、かと思ったら、そうではない。良く編曲された楽曲を、抑制気味のソロで吹く・弾く・叩く世界。エルヴィンもサポートに徹している。だけど、同時代のエルヴィン+ファラオのアルバムよりはいいかなあ。一人一人のソロがなかなかキマっているのだ。なかなかいいぞ。エルヴィンもスリリングに打ち込む瞬間もあって、派手さはないが、1970年代ジャズの滋味が詰まっている。トローンボーンは苦手であまり聴かないのだけど、向井滋春も改めて聴くと、いいなあ。

 



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高橋知己, Elvin Jones : Another Soil (1980, Denon )
A1. All green(高橋知己) 5:45
A2. Have you met Mr. Jones(高橋知己) 6:17
A3. Double peace(高橋知己) 6:57
B1. Zubrowka funk(高橋知己) 8:25
B2. Another soil(高橋知己) 10:25
高橋知己(ts, ss), Elvin Jones(tb), 向井滋春(tb), 大口純一郎(p), 杉本喜代志(g), 望月英明, 川端民夫(b)
Recorded at "Sound-Inn", on June 23 & 24, 1980

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サイン付き。エルヴィンのはない。

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Misha Mengelberg & ICP Orchestra: Japan Japon (1982, ICP/DIW/IMA) ハサミを宙に向け

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  このアルバムは1982年の記録。近藤等則が招聘したもの。ゲーテ・インスティテュートが後援だったような記憶がある。特にB面は近藤色が強い、ように思う。

 Incusでの英国勢は音響空間の構築、FMPの西独勢は凶暴な破壊力を想起するが、ICPは突き上げるリズムと笑い、のような印象がある。30年振りに聴いていると、京大西部講堂(だったと思うのだけど、大阪か記憶が曖昧)の場面を思い出す。ベニンクが大きなハサミを宙に向け、カチ・カチとタイムを取る。聴き手は絶妙のタイム感の音源を見て、可笑しさが堪えられない。笑いの過半は、ベニンクの意表を衝く音源、じゃなかったかと思う。

  おふざけ的なシーンも混じり、今となっては居心地の悪いトラックもある。しかし、地から沸き上がる揺動のようなベニンクのドラム、奇妙なドライヴ感を醸すメンベルベルク、圧倒的に咆吼するブレッツマン、彼らの音が点景のように浮かぶ場、それが奇跡的に収められた一枚、なのだと思う。

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Japan Japon

Japan Japon

 

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Misha Mengelberg & ICP Orchestra: Japan Japon (1982, ICP/DIW/IMA)
A1. Salute To Fujisawa Shukoh 2:45
A2. Kwela: Hap; Boodschappen; Welkom; Briefkaart; Maurits 17:39
B1. Habanera 6:15
B2. Carnaval 3:30
B3. Japan Japon 7:10
B4. Zing Zang Zaterdag 3:22
Misha Mengelberg(p, voice), Han Bennink(ds), Toshinori Kondo(tp, voice), Peter Brötzmann(as, ts, bs, voice), Michael Moore (as, cl), Keshavan Maslak (as, ts, voice), Joep Maassen, Wolter Wierbos(tb), Larry Fishkind(tuba), Maurice Horsthuis(viola)
Recorded on 11 May 1982 at Osaka and 17 May 1982 in Tokyo.
Japanese release included bonus 7" single of Caravan (7:04), recorded 17 May 1982 in Tokyo.

 

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早春の渓流に佇む

 大きなイワナが出てくるのは、水温がある温度を超えて数日経過してから、のように思える。だからシーズンの頭に山奥に出かけても、水温は低く、釣果は渋い。それでも渓流の深部に出かけたときに得られる開放感には代えがたいものがあり、日曜も出かけてしまった。

 ワカンとかスノウシューを持たずに行ったので、入渓するまでの路の雪が柔らかく、難渋した。沢でのブロック雪崩れが気になったが、少雪でもあり、暖かい日が多かったので、沢沿いの急斜面の雪はほとんどが落ちていた。空は青く、風は柔らかく、鳥のさえずりが聞こえる。そんな蠱惑的な日に、沢で竿を伸ばす。何とも贅沢だ。誰もいない。

 時折、金属音のような音が聞こえる。鳥、には聞こえない。熊にしては、低いように思える。対岸の雪面に小さな子供のような黒い影が走る。小熊かと緊張したが、群れてきた。猿。十匹くらいの猿が尾根を越えていた。さっきのは猿声と理解した。杜甫の詩で知る猿声は、あれか、どうか。

 そんなことを思いながら上流へ歩を進めたが、深みからは岩魚は出なかった。まあ、想像していたことだし、それでもいいか、と思った。昨年もこの時期はそうだ。この沢に入ったのは、ボクが最初だった。それで十分なのだ。

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奇妙なグルーヴ感

京大西部講堂であった、と記憶している。1982年。ミシャが率いるオーケストラを聴いた。フリー・ミュージックの面白さ、を知った。ゲラゲラ笑いながら聴く体験、が印象的だった。そのミシャ・メンゲルベルクがこの世を去った。

ボクのなかでは、ドルフィーのLast dateでの存在感が圧倒的。酔って揺れるような、数少なく、鋭い音が生み出す奇妙なグルーヴ感が、あのアルバムの魅力が圧倒的な管の音だけではない、ことを主張している。この奇妙なグルーヴ感、に惹かれ続けた。

長く彼のICPオーケストラは聴いていない。暫く、聴いてみたいと思っている。

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ICPオーケストラはオマケのシングル盤付き。モンクとハービー・ニコルス集もいい。見つけるのに随分時間がかかった。

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 このあたりは30年以上聴いていない。楽しみだ。

 

 

少雪の早春

少雪であった、と思った昨年より、更に少ない。もう4月のような暖かい3月はじめての土曜。渓流沿いの雪も少なく、水温も高めだった。

金沢市内の幾つかの沢に入り、岩魚を一本。22cmくらい。サビがはいらない、綺麗なものだった。サオがしなった時、魚の重みの感触が嬉しかった。今年も、渓流シーズンがはじまった。

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崖で進退窮まったカモシカがいた。

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