Kanazawa Jazz Days

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Kanazawa Jazz Days

ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

The Trio Featuring Hank Jones, Wendell Marshall And Kenny Clarke (1956)実は好きな奏者

 

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この記事を読んで、何となく気になっていたレコード。ハンク・ジョーンズについて書いたことなかったけど、実は好きな奏者。

先日のDUでようやく入手。2000円前後だったかなあ、オリジナル盤が。レコードのセドリ師が成り立つ、のじゃないかね。こんなアルバムも好きなんですよ、タマには。

Savoyって、何となく意識から外れているので、余計になんだけど。録音はRVG。案外、ジャズ喫茶で気になるようなアルバム、じゃないかなあ。それにモノラル盤の音圧、を楽しめる。高価なBN盤と比べると、CP感は半端ではない。嬉しい。ライオンのジャズ感のようなものから脱け出た軽さ、のような感覚もある。

ボクが聴きはじめた頃(1979年)、ハンク・ジョーンズの人気は高くて、それは日本企画盤East WindでのGJT。やはり話題沸騰中だったVSOPのロン・カータートニー・ウィリアムスとの意表を衝くトリオだった、から。ミス・マッチの極みのようで、あの野球ジャケットのアルバムが良かった、バックと対照的なピアノの軽いビート感が。

だからハンク・ジョーンズトミー・フラナガンと同じくらいの人気じゃないのかなあ、と思ってた、ルネさん! 多分に聴きはじめの時期次第なんだろう、けど。

ボクは最終的にはGJTではなくて、MuseのBop reduxが好み。控え目なバックがうるさくなくて、よろしい。このアルバムを聴くと、ハンク・ジョーンズって変わらないなあと思う。端正、落ち着き、ささやかな煌めき。デッドなRVGのピアノ録音によくフィットしている。そこには、ヒルのRVG録音のような違和感は全くない。昨年、RVGが亡くなったときに取り上げたアルバムのなかにもジョーンズは2枚あった。まさにキラっと光る名脇役的な存在なのだけど、その音場のままでのリーダ作だけど、だからこそいい、と思う。ケニー・クラークの力が抜けたドラムも、うまくマッチしているのだ。

The Trio

The Trio

 

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The Trio Featuring Hank Jones, Wendell Marshall And Kenny Clarke (1956, Savoy)
A1. We're All Together(Hank Jones)
A2. Odd Number(Hank Jones)
A3. We Could Make Such Beautiful Music Together( Sour,Manners)
A4. Now's The Time (Charlie Parker)
A5. When Hearts Are Young(Romberg,Goodman)
B1. Cyrano(Ozzie Cadena)
B2. There's A Small Hotel (Richard Rodgers)
B3. My Funny Valentine Richard Rodgers)
Hank Jones(p), Wendell Marshall(b), Kenny Clarke(ds)
Engineer: Rudy Van Gelder

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Theo Bleckmann: Origami (2001) 琴線の伝搬

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爆音に疲れ果てて、ホテルに戻った。仕事どころではない。

目覚めると、すっかり快復。耳も大丈夫。クルマのなかでは今井和雄の爆音は可能だなあ、と考えたり、懲りていない。

で、JOE氏の記事を読んで、ECMのデモを聴いた。モンダーやマエストロとの相性がおそろしく良く、彼の記事の

琴線

Theo Bleckmann - Elegy - あうとわ~ど・ばうんど

が伝搬してしまった。レコードがないことを確認し、注文。apple musicで過去の音源を聴くが、これまた良い。確かに、

どの作品どの曲を聴いてもいつも大同小異というか、煎じ詰めればどれも概ね同じように聴こえる

Theo Bleckmann - Elegy - あうとわ~ど・ばうんど

なのだけど。モンダーに加えスヴェリソン、ちゃんとした音源で聴きたい。

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Theo Bleckmann: Origami (2001, Songlines Recordings)
1. DNA 6:03
2. Douce Dame Jolie 4:25
3. None Of The Above 5:40
4. Origami 5:19
5. Static Still 4:05
6. Alloy 2:39
7. I Remember You 5:07
8. Like Brother And Sister 4:43
9. Nova Scotia 8:57
10. An Den Kleinen Radioapparat 2:12
11. Without Sky 2:36
12. Rhombicosidodecahedron 1:58
13. Life Is Just A Bowl Of Cherries 5:23
Theo Bleckmann(p, vo), Matt Moran(vib), Ben Monder(g), Skúli Sverrisson (b), John Hollenbeck(ds)

 

両国RRR:今井和雄/the seasons ill発売記念 アルバム未使用音源を大音量で聴くイベント

今井和雄の最新作the seasons illが出た後、幾つものサイトで激賞されている。

早速入手して聴いてみたが、凄いと思いながらも、なんかピンとこない部分がある。実は先日書いたとおり、improvised music寄りのギターに快感を感じるような脳内回廊ができていない、感覚があるのだ。

それは生で、そのようなギター演奏を見ていない、ということも大いに関係している、と思う。音から奏者の身体性のようなものを感じる、という一種のコンパイルのような作業には、実際の演奏を見る・聴くということが必要じゃないか、ということが現時点の仮説。昔、山下洋輔近藤等則、トリスタン・ホイジンガー、ICPオーケストラとかを生で聴いたことにより、そのような脳内回廊ができたと思う。随分長い間聴かなかったが、昨年、エヴァン・パーカーを生で聴いて、そのような音を聴く面白みが、蘇った。しかし、このジャンルのギター奏者は生で聴いていない、のだ。

またディレイのようなエフェクタが身体性を削いで、無意味に過剰な音を噴出させている、ような印象もまたある。例外的にディレク・ベイリーがすっと入ってくるのは、(ボクが持っている音源は)過度のエフェクターは入ってない。ギターのボディの強い響き、急峻な速度の変化が生み出す微係数的な強度の強さ、そんなことを味わえるのだ。

今日は本来は別の予定があって東京に来たのだけど、キャンセル。何かイヴェントがあるか探していたら、zuja氏のツイートで、なんと今井和雄氏のイヴェントがあることを知った。いい機会、だと思った。

難聴気味なので、いささか「大音量」に躊躇したのだけど、お茶の水から徒歩圏内なので、両国に出かけた。

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3部構成。

最初は今井和雄のソロ。エフェクターを使っていない、アコウスティックな音。これは素晴らしい。音の速度感、キレに痺れるのだけど、ベイリーのような直線的な感じではなくて、様々な揺らぎを内包させながら、複雑な文様を作っていくような印象。それに楽器を強く響かせるときの音の美しさ。胴を目一杯共鳴させるような、強い強度。

次はアルバムの別テイクを大音量で。ディレイにより、稠密に音が押し込まれ、その音の粒子が揺動している様、が凄い。それでも、やはり過剰な印象が強く、音量も相まって、かなり疲れたのも事実。別テイクよりも、アルバムの曲のほうが音の粒度が細かい、ように思える。

最後は対談。なかなか面白かった。

・音響の変化が自然に展開されたものをcdに収録

・delayを使っているのは、音響、電子音楽をつくるようなもの。

・良い演奏なんて、ほとんどない。

・ノイズをやってる訳じゃない。

・しっかり鳴らすと、よく鳴る。

などなど。

それでも大音量での疲れは酷く、はじめてお会いしたzuja氏ともロクに話をしないで、早々に引き上げた。

刺激的で、だからこそ疲れた午後だった。関係の方々に深謝申し上げます。

The Seasons Ill

The Seasons Ill

 

 

ディスクユニオンJazz Tokyo: まあ結局

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実に久しぶりのレコード屋。今日の予定が全部トンだので、午前中は仕事。それから出かけた。まあ結局、そんな時間の使い方しかできない。店内は人が少なく、またレコードも少なく、寂しい感じだった。買い物はまあまあかなあ。

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これらは古いプレスのレコード。Savoyのハンク・ジョーンズ。オリジナルで、レコードが分厚い。ドルフィーはオリジナルかどうか分からないが、VeeJayのモノラル盤。ウォルター・ノリスのRiverside盤、これもオリジナル。ドラムレスのピアノ・トリオは好物。ゲイリー・バートンRCA盤。これもオリジナル。それにしても、これらで平均単価2000円しなかった。

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これらはヨーロッパ盤。コニッツのSteeple Chaseはハル・ギャルパーとのデュオ。マレイのBlack Saint盤はランディ・ウェストンとのデュオ。エンリコのSoul Noteもようやく安価な盤を入手。最後はDragon盤のジョルミン、ステンソン。

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あとはこれね。フリージャズのレコードは音響を楽しめる、ので嬉しい。

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こっちはCD3セット。本田珠也のZEK、あとの藤井鄕子2枚。うち1枚はブレイとの共演。

 

あまり買わない積もりだったのにねえ。

東京・湯島「LeKURO」土地の空気に良く馴染んだ店はいいなあ、と

いろいろな経緯があって、東京へ。いつものように湯島に投宿。湯島天神の祭礼の夜で、神輿が遠目で揺れていた。風情があるなあ。

そもそも1981年にレコードを買いに来たのは御茶ノ水で(当時、マレイとかシャノン・ジャクソンをまとめ買い)、以降、このあたりがお気に入り。数年前、御茶ノ水周辺で落ち着いて呑める場所を探すと、湯島・清水坂のあたりで腰が据わった。爾来、だ。

 

元来、内向的な性格なので、今でも独り飯がとても苦手。折角の週末の夜なので、Aさんに付き合ってもらって、湯島のビストロへ。実に美味しく、楽しい夜になった。

 金沢の裏路地と同じように、陽が沈むと人通りは少ない。だけど絶える訳でもなく、ぽつぽつと灯火がともる。そんな場所で、地元の客が楽しく呑んでいる。人的flowがつくる空気でなく、stockがつくる空気、が好ましい。ますますこの界隈が好きになった。

店にはカウンタがしっかりあって、独りでも大丈夫。勿論、手頃な感じな料理も美味しく、ワインもしっかり呑んだ。

土地の空気に良く馴染んだ店はいいなあ、としみじみ思った夜だった。その後は、「なのないバー」へ。二年ぶりくらいのプログラマーもいて、楽しかったなあ。

Aさん、ありがとうございました。

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黎明の頃

黎明の頃に目覚めた。薄らと晴れている。遠くに浮かぶ犀奥の峰の残雪も消えかかっている。

夜半過ぎに降ったらしい雨で、窓が濡れている。仕事の前に沢を歩きたくなった。

 

5月の晴天続きで、沢の流量は減っていて、澱のようなものが川の底石に纏わり付いていて、滑りやすい。また川岸には草が生い茂り、春の気持ちよさが消えかかっている。草いきれの夏、が近い。

明け方の気分を味わいたいだけなので、少しだけ竿を持って歩いた。

狙った場所で、綺麗な27cmと28cmの岩魚が竿を絞った。気持ちよかった。

そして、いつものように、いつもの時間に、出勤した。金沢で暮らしていて、楽しいと思える瞬間だ。f:id:kanazawajazzdays:20170527151619j:plain

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Elliott Sharp, Mary Halvorson, Marc Ribot: Err Guitar (2016) 脳内回廊の皮膜

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 ボクはギターに好ましくない先入観のような偏見が(かつて)あった。そんな話を大学の同級生、といっても試験のときにしか見なかった軽音所属のM君、にすると、最初に聴かせてくれたのはジム・ホールのベルリン。それで偏見はするっと無くなったが、あまり聴くことはなかった。

 仕事を変えた直後は時間に余裕があったので、それからジャズを聴き直しているが、ジャス・ギターの未開拓感は大きく、そんななかでジャズ・ギターを聴き進めている感覚。だから未だに意識の中で捉えようのない音も多く、だからこそ、そのような音の回廊を頭につくるような面白味がある。

 先日、今井和雄のギターソロを入手したのだけど、「感じそうで感じるかどうか」というところで、未開拓感が残る(明日、関東での予定がキャンセルになって、まる空きになったので、今井和雄のイベントに行こうか、迷っている)。

 このアルバムはギター奏者3人のソロ、デュオ、トリオ。音響的に様々な音色が楽しめ、そして弦そのもの響きが一番美味しい、電気処理されていても。しかし、やはり「脳内回廊」に皮膜があって、そこを破れば面白味も増す、ような感覚があって、ちょっと困ったりもしているのだ。

 

Err Guitar

Err Guitar

 

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Elliott Sharp, Mary Halvorson, Marc Ribot: Err guitar (2016, Intakt)
1. Blindspot (Elliott Sharp, Mary Halvorson, Marc Ribot) 7:22
2. The Ship I Am On (Mary Halvorson) 2:46
3. Wobbly (Elliott Sharp, Marc Ribot) 7:14
4. Shredding Light (Elliott Sharp, Mary Halvorson) 6:59
5. Sinistre (Elliott Sharp, Marc Ribot) 3:47
6. I'm Gonna Party Like It's 1988 (Marc Ribot) 2:40
7. Sequola Pt. 1 (Elliott Sharp, Mary Halvorson) 4:22
8. Sequola Pt. 2 (Elliott Sharp, Mary Halvorson) 2:59
9. Oronym (Elliott Sharp, Marc Ribot) 9:07
10. Sea Buzz (Elliott Sharp, Mary Halvorson) 5:03
11. N ektone (Elliott Sharp) 3:02
12. Kernel Panic (Elliott Sharp) 10:12
Elliott Sharp, Mary Halvorson, Marc Ribot: Guitar(g)
Recorded July 25, 26, 2016, at Studio zOaR, Manhattan, NY. Mixed and mastered at Studio zOaR by Elliott Sharp.

Andrew Hill: Time Lines (2005) 「本当のブルーノート」のreissueじゃなくて、素晴らしい最後のアルバム

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よろすず氏のtweetで気がついたアルバム:

Blue Noteに多くのアルバムがあるヒルだけど、これは世を去る前の最後のリーダ作。2005年の吹き込みで、「本当のブルーノート」(ライオンとともに幕が降り、BN-LTあたりで完全に消えた)での録音ではなく、今、ブルーノートと呼ばれているレーベルでの録音。「本当のブルーノート」のreissueと勘違いしていた。

何となく「本当のブルーノート」時代のヒルにはあまり手が出ない部分が、今はあるのだけど、これはそうでない。音がとてもクリアで、ヒルのピアノの音響の良さを楽しむことができる。

トリヴァーの名前がとても懐かしいが、聴いていると、ホーンは曲の味付けのような聴こえ方で、気持ちのなかで殆どヒルのピアノに焦点があたる。それくらい、味のある響きを纏いながら、少なめの音を紡いでいる。この印象は初期から変わらないが、録音の良さが、それを強調する。

最後がピアノ・ソロ。これが素晴らしい。彼のピアノの魅力、が凝縮されたような小品。この魅力を録音で抑えたのが「本当のブルーノート」時代なんだろうなあ、と思う。

晩年まで曲を作り続け、この質、演奏も曲も、を維持していたことは凄いことだと思う。21世紀の音として、しっかり楽しんだ。

Time Lines

Time Lines

 

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Andrew Hill: Time Lines (2005, Blue Note)
1. Malachi(Andrew Hill) 7:01
2. Time Lines(Andrew Hill) 9:00
3. Ry Round(Andrew Hill) 8:57
4. For Emilio(Andrew Hill) 9:38
5. Whitsuntide(Andrew Hill) 8:55
6. Smooth(Andrew Hill) 8:11
7. Ry Round 2(Andrew Hill) 7:52
8. Malachi (Solo Piano Version)(Andrew Hill) 5:31
Andrew Hill(p), Greg Tardy(ts, cl, b-cl),Charles Tolliver(tp), John Hebert(b), Eric McPherson(ds)
Engineer [Mixing] : Dae Bennett
Engineer [Recording] : Brian Dozoretz, Dae Bennett
Mastered by Kurt Lundvall
Producer: Michael Cuscuna
Recorded on June 23 (tracks 3 & 4), June 30 (tracks 1,2,5,6, 7)and July 18 (track 8), 2005 at Benett Studios, Englewood, New Jersey.

つげ義春カラー作品集・紅い花(1969)

 

紅い花 つげ義春カラー作品集

紅い花 つげ義春カラー作品集

 

今時になって、また少しづつ、つげ義春の本を読んでいる。1980年代後半から「休筆」だから、平成になってからの年月がそのような期間になる。最後に漫画を書いたのが50歳前後だろうから、今のボクよりも随分若い。随分と早く、お休みに入ったものだ。

先日入手した芸術新潮の特集号の仕上がりは素晴らしく、 暫しその絵柄を楽しんでいた。はじめて読んだ1980年頃の気分が少し蘇ってくる。

この芸術新潮の企画をまとめた「とんぼの本」も入手したが、内容に代わり映えがなく、またサイズが一回り小さくなったことで、芸術新潮をみたときのような感慨、は得られなかった

昨日届いていたのは「つげ義春カラー作品集・紅い花」。1960年代後半のガロの連載に彩色を施し、漫画アクションに再掲されたものである。時期は1969年8月から11月。青林堂との関係はどうだった、のだろうか。権利意識が今とは違ったのだろうか。

判はとんぼの本」よりも更に小さい、普通のサイズなのだが、これは面白い。カラーといっても、濃淡のある赤を塗っただけのもの。白黒の漫画と与える印象は大きく変わらない。二色での表現は、やはり極端なデフォルメの世界で、写実に近づく性格でないからだろう。まさに紅い花の「紅」を眺めるための本。もっきりやの「コバヤシチヨジ」への彩色、もっきりやの灯火も眺めていて楽しい。

 五月晴れだった数週間が過ぎ、曇天の朝に眺めていると、なんとなく相応しいように思えている。


 

吉田美奈子、森俊之、井上陽介@もっきりや

もっきりやで、吉田美奈子のライヴに行ったのは2回目。やはり、もっきりやの平均客数(?)の4倍くらいの混み具合。違う店、みたい。

ライヴで聴く井上陽介のベースがとてもグルーヴする感じが良かった(渡辺香津美のとき)ので、行くことにした。勿論、期待以上に良かった。何にもまして、はじめて聴いた森俊之のピアノが良かった。ベーゼンドルファーが実によく響いていた。渋谷毅に通じるような、近しく・そして遠いような、響き。普段とピアノの位置が違ったせい、でもあるのかな。ベースとピアノでかなり自己完結した空間ができていて、そこでの歌い手、も最高に気分が良さそう。いいライヴだった。

[この写真のみは平賀さん撮影。勝手に拝借、すみません]

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Thelonious Monk Plays Duke Ellington (1955) RVGの刻印

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先日、いつも参考にしているブログの記事で、このアルバムが取り上げられた。話題はVan Gelder録音のRiverside。古いレコードを入手する目的が、その音響の良さに惹かれて、なのだから、そこに眼が行くのは当然だ。ニヤっとして読み始めた。

ボクはジャケットに惹かれてセカンド・プレス(ファースト・プレスは高価だし)なのだけど、彼はファースト。まあ音は違わないだろうな、とか思いながら読み進める。

①なぜヴァン・ゲルダーの刻印がないのか

の記述で目が止まった。そう、刻印がないということは、マスタリング・カッティングが違うと云うこと。ボクのセカンドプレスには、刻印があった、ように記憶していた。そう、音が違う可能性がある、ということ。ブルーノートのRVG録音はピアノ向きではない、と思っているので、ならばRVG刻印なし、が気になって仕方が無い。実は、ファースト・プレスは二回ほど、某ショップで「比較的安価」な盤を見かけた。でも「高価」ではあるので、ジャケットの差異には払えなかった。盤が違うとすると、暫し後悔の海に沈むのだろうな。

そんなことを思いながら、仕事で翻弄される日々なので、確認したのは今朝。

ああ良かった。刻印はなかった。単なる、思い込みだったのだ。そんなつまらない独り相撲が楽しいレコード蒐集。ニヤリとK君焙煎の美味しいcowryの珈琲を呑む朝を過ごしている。

[2016-08-27記事] RiversideのRudy Van Gelder

  ルディ・ヴァン・ゲルダーというと、Blue Note、Prestigeあたりの印象が濃厚なのだけど、その後のVerveやCTI、更にはRiversideでの録音もある。Blue Noteでの音とは明らかに異なっており、確かにプロデューサーと録音技師の共同作業で音が造られる、ということが実感される。まあECMだって、そういうことだと思うし。

 これはRiversideでのルディ・ヴァン・ゲルダーの録音。モノラル。ボクが持っているレコードはsecond press。最初のものはジャケットが異なる。モノラル盤を設定針圧が高めの専用カートリッジで聴くと、まずその音圧に参ってしまう。録音時期の古さ、あるいは録音技術の古さ、のようなものを圧倒する音圧で、奏者が間近にいるような時空を飛ばす迫力がある。

 このアルバムでは、Blue Noteでのデフォルメしたような、かなり味付けの濃い録音ではなく、ビル・エヴァンスのアルバムと同じように、比較的、透明度が良好な、バランスの良い録音。あからさまなイコライズはされていなくて、ピアノも自然に響いている。モンクのピアノの響きが実に美しく捉えられている。モンクのピアノは、あの「よたった」感じが前面に感じられることが多いのだけど、そうではなくて打鍵とともに沸き上がる美音、のようなものが明瞭に捉えられている。ベースは強め、ドラムスは若干オフ気味だけど、気にならない。ピアノが圧倒的だから。

 改めてモンクの音世界に浸る。さっきまで聴いていたSteve Lehmanと時代は違えど、奇妙な味がする音の美味しさ、ってこんな感じだなあ、と思った次第。

 

[2012-07-12記事] 懐かしいジャズ喫茶の匂いがする音

 昨夜は久しぶりに自宅で過ごした。雲が流れる夕暮れの山並みをみながらビールを呑んでいた。一昨日に取り上げたRan Blakeを聴いてから、モンクを聴きたくなった。

 昔買ったLPレコードをターンテーブルに載せる。MMカートリッジ(ShureのtypeIII)とマッキントッシュの管球アンプ、それにJBLのスピーカ。懐かしいジャズ喫茶の匂いがする音が流れる。高音の響きは確かに最近のタンノイのスピーカが良いのだけど、意識の底にある音の記憶はJBLのスピーカのほうが近い。針が落ちる音ではじまり、そして針がレーベルの縁にぶつかる音ではっと我に返る。CDに慣れた今、LP片面は驚くほど短い。

 すこし頓狂で、それでいてまっすぐ揺れていくモンクのピアノ。音と音の隙間がピアノの響きを伝える。ECM系ピアニストとは対極にあるHipなピアノ奏者だろ思うのだけど、その響きの喚起するイメエジは案外近いものがある。沈黙の次に美しい音に分類される。素材となったエリントンの曲の骨格を巧く伝えるような味わい。プレヴィンのエリントン集と対極。

 30年前のジャズの聴きはじめ、案外マジメにジャズの名盤を取り揃えた。最近はあまり50年代のジャズを聴かないのだけど、このモンクのピアノ・トリオは全く古びない、音楽として普遍的な魅力をたたえているように思える。ドルフィーのラスト・デイトと同じような味わいなのだ。そして何よりも、この味わいが好物なのだ。

apple music:

 

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Thelonious Monk Plays Duke Ellington (1955, Riverside) RLP12-201
A1. It Don't Mean A Thing If It Ain't Got That Swing (Ellington, Mills)
A2. Sophisticated Lady (Ellington)
A3. I Got It Bad And That Ain't Good (Ellington, Webster)
A4. Black And Tan Fantasy (Miley, Ellington)
B1. Mood Indigo (Bigard, Ellington, Mills)
B2. I Let A Song Go Out Of My Heart (Ellington, Nemo, Mills, Redmond)
B3. Solitude (Ellington, Lange, Mills)
B4. Caravan (Ellington, Mills, Tizol)
Thelonious Monk(p), Oscar Pettiford (b), Kenny Clarke(ds)
Producer: Bill Grauer, Orrin Keepnews
Engineer: Rudy Van Gelder
Released:Feb 1956
Recorded at Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey, on July 21st 1955

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macOS Sierra (10.12.4)上でのAudirvana Plus 3のDirect mode動作(その後、クリーンインストール、備忘録)

その後、シャットダウンできない、曲を再生しない、iTunesとAudirvana plusの同期が不安定などなど、音楽を聴く気が失せるほど。

そもそも、使っているMACminiは2010年midの機種でOSX10.6.3 (Snow Leopard)。思えば遠くへ来たものだ。メモリは8GB。それからアップ・ヴァージョンを続けている訳で、システムに澱が貯まっているに違いない。

という訳でクリーンインストールを行った。何となく、泥沼に入った気がしなくはないが。

MacのOS X Sierra(シエラ)を簡単にクリーンインストール(初期化)する方法!

これは簡単に完了。音楽専用なので、そもそもインストールしているSWが少ない。しかし、さっそく再起動障害ががあって、がっくり。調べると、以下の方法で復帰。

MACで「再起動」や「シャットダウン」ができなくなる謎の問題が解消された!! – IT trip

ターミナルで再起動するだけ。

その後、再びIOAudioFamily.kextの入れ替え作業を行った。折角、備忘を書いたのに、ファイルのアクセス権の修復をやり忘れて、オーディオ機能が壊滅し焦ったが、アクセス権の修復を後から行って、OK。

現時点は、安定に動いている。職場のiMACをどうしようか、少し迷っているが、まだ後かなあ。

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[] macOS Sierra (10.12.4)上でのAudirvana Plus 3のDirect mode動作(簡単にできた、備忘録)

 

 昨日の記事の通り、今更なのだが、macOS Sierra上でのAudirvana Plus 3のDirect modeが動作しない問題に直面:

確かに、苛つく程に、音の鮮度が低下。参った。

 という事で、前掲の記事で引用した「音関連のシステムファイルIOAudioFamily.kext」を、Direct modeが動作したOSX El Captanのものと入れ替える作業を行った。内容は以下のサイトの手順でばっちり。

Mac OS Sierra で不採用となったDirect Modeを復活させる手順 – IT trip

備忘のため、自分で実行した手順を記載する。

(1)OSX El CaptanのIOAudioFamily.kextの入手

・問題のMACminiはタイムマシンを繋いでいない。動作がもたつくことが心配だからだ。このファイルは職場のMacbook airに繋いであるタイムマシンからコピーしら。1MBに満たない小さなファイル。

(2)SIPの無効化

Audirvanaを使うPCのSIPを無効化する。リカバリモードでのターミナル上でコマンドを打つだけ。仔細は以下の記事の通り。本当に簡単。ただし、リカバリモードの立ち上げに少し時間がかかるので、少し心配になった。

Mac OS SierraでSIPを無効にする方法(非常に簡単でした) – IT trip

(3)PCを再起動後、IOAudioFamily.kextを入れ替え

当該ファイルの格納場所は、/System/Library/Extensions 。フォルダへの移動、を使う。そこにOSX El CaptanのIOAudioFamily.kextをコピーすると、もともとのSierraのものとの入れ替えを行うか、聞いてくるので、入れ替えを指示。

(4)OnyXでファイルのアクセス権の修復

ここでシステム障害の警告が出たので、OnyXでファイルのアクセス権の修復を実施。もともと使っているFree SWなので実施。仔細は下記リンク。時間は少しかかるが、気長に待つこと。途中、カーソルがクルクルまわっていて、少し不安になるが放置。

El Capitan 以降の OSX でアクセス権の修復を手動で行う (フリーソフト OnyX を使う方法)

(5)再起動

前掲の記事では立ち上がるまで2時間とのレポートであったが、私の場合、通常の起動と同じであった。

(6)Audirvana Plus 3のDirect modeをonにする。

ばっちりonになる。

(7)SIPの有効化

これも下記記事を参考に。

Mac OS SierraでSIPを無効にする方法(非常に簡単でした) – IT trip

 

以上で完了。1時間もかからない作業。バージョンアップごとに対応してもいいかなあ、という感じ。ただ、少し安定性を毀損したような感じはある。DA変換器(プリアンプに内蔵)が、僅かに固まりやすくなったような気がする。大きな問題は、今のところはない。

Cecil McBee: Mutima (1974) マクビーを聴け、という自作自演の楽しいアルバム

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いつだったかレコード屋で見かけて購入した一枚。何となく米盤が欲しい一枚だけど、安価だったので日本盤で。まあ、いいかな、とも思う。こんなアルバムまで日本盤でフォローされていた時代が、今となっては懐かしい。

「ロフト・ジャズ運動(?)」の後、India Navigationに吹き込まれた黒人奏者達のフリー(っぽい)ジャズをリアルタイムに聴いていたのは1970年代末。トリヴァーとかカウエルのStrata-Eastはその前の時期か。気になって何枚かレコードは入手したが、まだ良く聴いていない。マクビーのアルバムがあることは知らなかったが、これは入手して正解。面白い。

今にして聴けば、フリージャズ的と云うよりは当時の黒人音楽の空気のほうを強く感じる。だからファンク以前、ハービー・ハンコックのワーナー時代のアルバムと地続きなんだな、と思った。だから面白い。とにかく、マクビーが弾きまくる、弓も引きまくる、そんな濃厚な録音が続く。最後の曲では、電気ベースでグルーヴしてみせる。

ピアノのグンブスは、その後、ウッディ・ショウのバンドに出てくる奏者で好み。あまり前に出た出番はないのだけど、B面で聴かせるソロはいい。ホーン陣も脇役。マクビーを聴け、という自作自演の楽しいアルバムなのだ。

もう少しStrata-EastとIndia Navigationを聴こう。好物だなあ。まだ読んでいないガイド・ブックも読まなきゃ。

ガイドブックはコレ:

インディペンデント・ブラック・ジャズ・オブ・アメリカ

インディペンデント・ブラック・ジャズ・オブ・アメリカ

 
Mutima

Mutima

 

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Cecil McBee: Mutima (1974, Strata-East)
A1. From Within(Cecil McBee)11:21
A2. Voice Of The 7th Angel(Cecil McBee) 2:02
A3. Life Waves(Cecil McBee)9:13
B1. Mutima(Cecil McBee) 13:41
B2. A Feeling(Cecil McBee) 2:38
B3. Tulsa Black(Cecil McBee)6:10
Cecil McBee (b), Onaje Allen Gumbs(p), Jimmy Hopps, Allen Nelson(ds), Lawrence Killian, Michael Carvin, Jaboli Billy Hart(perc)
Allen Braufman(as), George Adams(ts, ss), Tex Allen(tp), Tex Allen(flh), Art Webb(fl),
Dee Dee Bridgewater(vo)
Recorded 5/8/74 at Minot Studios, White Plains, N.Y.

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自転車通勤の朝、国津神の大地に

f:id:kanazawajazzdays:20170522123951j:plain天候が良いので自転車通勤が気持ちよい。金沢郊外の農村地帯にある集落の路地を走り抜ける。とは云え、田畑は殆ど宅地開発されているのだけど。

集落内にある小さな神社。前から近くを通っていたのだけど、気にしたことがなかった。今朝、ゆっくり見ると八坂神社、という名前。京都の祇園にある八坂神社の末社のようだ。ならば素戔嗚尊が祭神。天照大神の弟神ではあるが、出雲大社に祭られる大国主命の父神。高天原で荒ぶる姿は、国譲りで黄泉に向かった大国主命とともに国津神の印象が強い。朝廷に支配される側の存在。

ちなみにボクの住まいがある犀川沿いの街道筋、旧犀川村までのあたりは日吉神社。これも調べると大国主命らが祭神。やはり国津神

白山比咩神社の祭神である菊理姫命も、日本書紀の外伝にのみ出てくる神で国津神能登一宮である気多大社大国主命

この土地は皇室の始祖である天津神ではなく、天津神に平定された太古の部族の神の土地、なのだ。一向一揆で一世紀にわたり世俗支配から脱した歴史の起点、がそんなことにあるのかな、とぼんやり思いながら、職場までペダルをこいでいた。いい天気だ。