Kanazawa Jazz Days

Kanazawa Jazz Days

ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

井上敬三: Boys Be Ambitious! (1984) 美しく・強く管が鳴る

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30年以上前に買ったレコードを聴いてみる。当時、老年でのデビューと騒がれた(今のボクと同年代だ!)井上敬三の面白味は、管の音、響きの美しさだと、改めて思った。このアルバムは渡辺香津美のプロデュースで、当時の彼の色が強く出ている。そのようなプラットフォームと関わりなく、美しく・強く管が鳴る、それを味わえる。

J・B・ウルマー、J・タクマ、R・シャノン・ジャクソン、ラウンジ・リザーズ、マテリアルが次々登場する時代に、日本の奏者達が考えた音で仕上げられている。

しかし、、、、と付け加えたくなる感覚は、まさに田中啓文さんのレビューに書き尽くされていて、ボクが付け加えるコトなし。さてメルスを聴いてみよう。

Boys Be Ambitious!

Boys Be Ambitious!

 

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井上敬三: Boys Be Ambitious! (1984, Domo)
A1. Keizo Wave
A2. 大江戸さがし
A3. Boys Be Ambitious! Part1 立志編/Part2 青春編
B1. 組曲アレレの男~第一楽章~国籍不明の序曲/第二楽章~狂気の歌曲/第三楽章~脚のもつれる円舞曲
B2. Oriental Flash
B3. 三重人格
井上敬三(as, cl, voice), 渡辺香津美(g voice), 橋本一子(p), 川端民生(b), 仙波清彦(perc),渡辺智誉(cl), 長原滋樹(cl), 田中正敏(b-cl)
Recorded between Oct 1983 and Jan 1984 in Tokyo.

富樫雅彦: Rings(1975) 打楽器の響きの美しさ

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ゆっくりと富樫雅彦のレコードを集めている。実は、このアルバムの存在は長く知らなかった。打楽器のソロ、としては後年のFaces of percussionsが最初、と思っていた。1970年代末、コロンビアとかビクターの日本盤は店頭で見かけたら購入していたから。だから、このアルバムはプレスが少なかったのかな、と思う。

富樫雅彦を含め、幾つかの打楽器のソロを聴いたが、このアルバムはその中でも際だって打楽器の響きの美しさを感じる。丁寧な音場の作り、耳元でそっと鈴を鳴らすような、とても私的な空間が彼方の奏者とボクの間に作られる。

Spiritual natureからジャズへの遠心力を効かせた富樫のひとつの到達点ではないか。ジャズの重力圏から脱した、ジャズ的ビートの不在が、むしろ彼の中でのジャズの大きさを物語っているようにも思える。そして新たに創られた音場が、まったく時間の劣化を受けず、42年後の今、耳元で新しい音として響くことに驚きを隠せない。

このような録音を素晴らしい仕上がりで残した当時の音楽産業の底力、余力も凄いなあと思う。1975年、日本制作のジャズの頂点ではないか。CBSソニーのアガルタや洪水の頃、なのだ。

リングス

リングス

 
リングス

リングス

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富樫雅彦: Rings(1975, East Wind)
A1. Ring 1 7:28
A2. Ring 2 6:04
A3. Ring 3 6:02
B1. Ring 4 6:45
B2. Ring 5 4:29
B3. Ring 6 5:54
C1. Ring 7 15:23
C2. Ring 8 1:33
D1. Ring 9 6:54
D2. Ring 10 4:03
D3. Ring 11 4:35
D4. Ring 12 3:37
富樫雅彦(ds, perc, vib, marimba, celesta, glockenspiel)
Engineer [Cutting] : Tohru Kotetsu
Executive-Producer: Toshinari Koinuma
Producer: Kiyoshi Itoh, 富樫雅彦, Yasohachi Itoh
Recorded by Masaaki Sasada (tracks: C1)
Recorded By [Assistant] Seiichi Yoshida (tracks: C1)
Recorded By, Mixed By David Baker, Yoshihiro Suzuki
Recorded November 10, 15, 19, 26, 27 and 29, 1975 at Onkio Haus and Phonogram Studio, Tokyo
"Ring 7" is also recorded July 14-19. 1975 at Nukaji Hill, Nagano.

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ジャケット表

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ジャケット裏

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内ジャケット

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Thelonious Monk: Criss-Cross (1963) 矛盾に満ちた

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モンクの音楽は矛盾に満ちている。ゴツゴツとふらつくようなスムーズでない運指から、とてもなくスムーズなビートのようなものが溢れ出る。ミクロにみると調性を外したような変な音から、マクロには弾むような旋律が紡ぎ出される。その奇妙な感覚、が彼の味そのもの。

コロンビアのモンクはソロ以外は入手して放置していたが、モンクのピアニズムを聴くという観点では、リヴァーサイド盤よりも良いのではないか。ジャズとか、そんな括りもどうでもよくて、その奇妙な感覚を最大限味わう意味で。

このアルバムでもジャケット写真が示すように、モンクのピアニズムをしっかりと聴くことができる。そこがアルバムの骨になっていて、それが実に美しい。骨だけでは色気が足りないから、ラウズが肉付けをしている、それもモンクの作曲行為の下で、だろう。It's Mink's timeと全く同じ世界観のなかにある。

ボクが聴いているのはステレオ盤。非常に明澄で、しかもジャズらしい音。JBLの古いスピーカーで聴いてもいいし、タンノイの新しいスピーカーでも実に綺麗に鳴る。Discogsでみると、やはりコロンビア盤だけあって実に安い。

クリス・クロス+3

クリス・クロス+3

 

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Thelonious Monk: Criss-Cross (1963, Columbia)
A1. Hackensack (Monk) 4:12
A2. Tea For Two (Caesar, Youmans) 3:46
A3. Criss-Cross (Monk) 4:52
A4. Eronel (Monk) 4:29
B1. Rhythm-A-Ning (Monk) 3:53
B2. Don't Blame Me (Fields - McHugh) 7:04
B3. Think Of One (Monk) 5:17
B4. Crepuscule With Nellie (Monk) 2:45
Thelonious Monk(p),Charlie Rouse(ts), John Ore(b), Frankie Dunlop(ds)
Producer : Teo Macero

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Thelonious Monk: It's Monk's Time (1964) モンクのピアノが最大限映えるように

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連休中にコロンビア時代のモンクを聴こうと、棚から取り出した。

結局、多事ににかまけ、聴いたのはコレ一枚。

ジャズを聴きはじめたとき、ディスクガイドを幾つか読んだが、モンクで紹介されるのは1960年頃まで。Riversideが中心じゃなかろうか。どのアルバムにも、モダン・ジャズの大物が入っていて、白熱の演奏を楽しめる、という感じで。しかし、コロンビア時代には、そのようなモダンジャズの名盤らしい企画もないし、レギュラーグループでの演奏が地味のように見える。

さて聴いてみると、とても面白い。どの曲もモンクのピアノが力強く、ふらつくような、それでいてスウィングともドライヴとも違う、不思議なビートの推進力のもとにある。Riverside時代と異なるのは、共演者の個性に全く頼っていないこと。モンク自身の作曲行為の中で曲が作り込まれている。モンクのピアノが最大限映えるように、全ての音が配置されている。だからInterplay的なものに重点を置くと、かなり物足りないだろう。

しかしモンクのピアノや曲が持つ「奇妙な味」や、モンクの打鍵が放つ、飛び散る硝子片が放つ微細な光跡のような煌めく音、が好きなのであれば、それが最大限楽しめるような曲になっている。それで十分なのだ。

そのような観点から聴くと、ラウズもモンクのピアノに対するホーンの装飾に徹していて、また(多分)モンクの要求によるヘンなトーンを出したり奮闘。アドリブがどうとか、こうとか、は関係ないのだ。モンクなりの考えで、ハードバップから離脱しているように思える。

また期待通り、コロンビア盤は実に録音が良い。加えてモノラル盤の強い音圧を楽しむことができる。このアルバムを何回も聴いて、連休は終わってしまった。

追記:

たまたまなのだけど、いつも拝読しているブログもモンク特集。精緻にコロンビア盤を記載されているので一読を。何となく「陽があたらない」コロンビア盤への愛情を感じます。

イッツ・モンクス・タイム+3

イッツ・モンクス・タイム+3

 

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Thelonious Monk: It's Monk's Time (1964, Columbia)
A1. Lulu's Back In Town (Dubin, Warren) 9:55
A2. Memories Of You (Razaf, Blake) 6:06
A3. Stuffy Turkey (Monk) 8:16
B1. Brake's Sake (Monk) 12:29
B2. Nice Work If You Can Get It (G. Gershwin, I. Gershwin) 4:15
B3 Shuffle Boil (Monk) 7:09
Thelonious Monk(p), Charlie Rouse(ts), Butch Warren(b), Ben Riley(ds)
Producer: Teo Macero

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Columbia時代のThelonious Monk(1962–1968) ちょっと整理

Columbia盤は、ヴァン・ゲルダー録音のBlue NoteやPrestige、あるいはロイ・デュナン録音のContemporaryのようなある種の「ジャズレコードとしての神話」はないが、総じて録音は良く、はっとするようなモノが多い。マイルスのアルバムを並べて聴くと、Blue NoteやPrestigeよりColumbiaがいいなあ、と思っている。

モンクのレコードもしょぼしょぼ聴いている。やはり主にはRiversideなのだけど(愛聴盤は仏ヴォーグ盤)、Columbia盤もちゃんと聴かなきゃ、と思ったのは、今朝方に晩年のモンクに関する記述を読んだから:

1979年にジャズを聴きはじめてすぐ、モンクの死亡記事を読んだ記憶がある。衰弱し、引退してから、随分長い間、この世にいたことになる。それでも若い死だと思うが。もっとも同時期にこの世を去ったビル・エヴァンスはもっと若かった訳だ。

この1年半、Free musicを熱心に聴いて、明らかに音楽の聴こえ方が変化したので、聴き直す時期に来たなあ、と思っている。音楽の音響的側面に耳が行くようになった、と思っているから。クラシックを聴いて、そのような視点(聴点?)ができ、昨年はじめにエヴァン・パーカーのライヴを聴いて、より抽象的な音も音響的側面に注目すると面白いことに気づかされた。ならば、録音が良いColumbia盤で、モンクもそのような側面も大いに楽しめないか、と思ったということ。

そんな訳で手持ちのレコードを整理してみた。

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Monk's Dream (1963)
(CS) Criss-Cross (1963)
(CBS SONY) Monk in Tokyo (1963)
(CL)Miles & Monk at Newport (1963, with unrelated 1958 Miles Davis performance)
Big Band and Quartet in Concert (1963)
(CL)It's Monk's Time (1964)
Monk (1964)
(CS)Solo Monk (1964)
*Live at the It Club (1964)
*Live at the Jazz Workshop (1964)
(CL)Misterioso (Recorded on Tour) (1965)
(CS)Straight, No Chaser (1967)
(CS)Underground (1968)
Monk's Blues (1968)

( )保有レコード 、CL:2eyes mono、CS: 2 eyes stereo、CBS SONY: CBS SONY

無印:未保有、* :未保有(後年の編集盤)

藤掛正隆, 早川岳晴, 山本精一: 弱虫/from Gakeppuchi Session(2008) お盆の朝からこんなの聴くなんて

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お盆の朝からこんなの聴くなんて、どうかしているように思えるが、予想通り良い。藤掛正隆の直球のビートをとても気に入って、続けて聴いている。ベースが早川岳晴なんで、期待しないほうが無理。

1980年頃のオーネット一派、ウルマー、タクマ、シャノン・ジャクソンの変態的なビートが好きで、それを抽出して純化したような梅津和時、早川岳晴のレコードも好きだったなあ(Dr梅津バンドとかSALT)。

 その方向性を更に純化し、尖らせたようなセッションなのだ。痺れない訳がない。先日、ジョセフ・ボウイのDefunktの近作を聴いて、劣化した懐メロ状態でがっかり。ウルマーも伝統芸能化しているし、で、いささか本家が心許ない状況(カルヴィン・ウェストンやアミン・アリは頑張っているが)で、このトリオは心底凄い、半端でないグルーヴ感とブロウするギター。

音量を上げて、ぼんやり聴きたいアルバムだ。

弱虫(from Gakeppuchi Session)

弱虫(from Gakeppuchi Session)

 

 

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藤掛正隆, 早川岳晴, 山本精一: 弱虫/from Gakeppuchi Session(2008, Fulldesign records)
1. Introduction
2. Titanium in his leg
3. Funky Koyoro
4. Superluminal Speed
5. Type 0.7
6. Brew for 1 minute
7. SC
8. Slinky
9. Cr-Mo
10. Dr.Hubble
11. Yamamoto Seiichi
藤掛正隆(ds), 早川岳晴(b) , 山本精一(g)

Misha Mengelberg, 豊住芳三郎: 逍遥遊 (1994) 距離の伸縮

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最近、このアルバムの存在を知って、入手。ミシャがこの世から去って、遅すぎる個人的なブーム。

ピアノとドラムとのデュオというと、真っ先にハンとのデュオを想起する訳なのだけど、その違いが面白いアルバム。

ICPの2人はとてもリラックスした雰囲気のなかで、リズムと、リズムからの逸脱のなかで、その切り替わりの瞬間の快感を大いに喚起する。だから、2人の方向性のようなものが、双子のように一致している印象がある。

この豊住とのデュオは違う。他のアルバムより硬質で険しいピアノを叩くミシャ、パルスを繰り出す豊住が、併走する感じ。その2人が交叉するのか、その感覚が緊張を与える。そして、セッションのなかで交叉した瞬間、安堵感が流れる、そんな感じ。

ぼおっと、子供の頃見た猪木・アリの異種間格闘技を思い出した。2人は距離をとりながら、時折、交叉する。殆どは間合いをとる、そのような場、に退屈した。

このアルバムでも、2人は間合いをとっており、距離感を感じさせる。その距離の伸縮が面白味を与えている、ように思えた。


  

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Misha Mengelberg, 豊住芳三郎: 逍遥遊 (1994, Chap Chap Music)
1.行く川の流れは絶えずして
2.The Laugh Is Important
Misha Mengelberg(p), 豊住芳三郎(ds)
1994年10月6日, 防府市「カフェ・アモーレス

盛夏の北陸では

盛夏の北陸では、渓流に「オロ」と呼ばれる吸血性のアブが発生する。ボクは体験したことがないのだけど、周りが真っ黒になるほど寄ってくるらしい。体験者はその恐怖、を語る。そんな訳で盛夏の渓流には誰もいない。

ボクも勿論、「オロ」が出たら渓流には行かないのだけど、刺されても腫れないし、案外気にならないので、人より遅くまで渓流に入り、早く戻る。クルマのなかまでオロが進入し、冬頃になって乾燥オロが見つかったりする。

昨日は「オロ」状況確認と思って、渓流へ。まだ「オロ」は結構居たけど、ボク的には気にならなかった。持参したガード(養蜂のネットみたいなの)も着用しなかったし。

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釣果は27cm筆頭でまずまず。

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沖縄・ヘリオス酒造のラム酒とRobert Wyatt(Bar Sanoji)

近所のcuteなふたり(A君、Nちゃん)が、二晩、Bar Sanoji開店。A君の転勤先、東京で行った音楽バーが良かったそうで。オトナのバーごっこ。

 

バーに「ママ」はアリなのか、そんなradicalな疑問はともかく、時としてスナックと化すのはご愛敬。よく呑んだ。ありがとう。

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名護のヘリオス酒造(10年前に行った!)の黒糖酒(50度、ラム酒の原酒)がとびっきり美味く、柔らかな呑み口に驚いた。欲しいなあ。

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 聴いたレコードのなかでは、Robert Wyattが良かったなあ。静かな曲のしみじみ感が。Soft Machine(懐かしい)のメンバーだそうで。

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 バーなのに岩魚を持ち込んで(ゴメン)、ギーで焼いてもらった。美味かったなあ。

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ありがとう。またね!

山中千尋: Monk Studies (2017) 一曲目が一番美味しい

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時々はアルバムを買っていて(最初の澤野のアルバムから)、ポツポツ聴いている。 

近作での電気楽器を入れた作りが、軽めではあるが好み。 

 

という訳で、更にその路線を進めつつ、モンクを取り上げるとのことで、手を出した。

 早速聴くと、一曲目でFlying LotusのNever catch meと似た旋律とドラムでびっくり。

Flying Lotusのyou're deadと同じドラマーなので、意識して織り込んだみたい。この曲の感じが続けば、それもいいかなあ、と思う。なかなか気持ち良い。モンクの曲については、彼の曲が持つマジカルな程の「奇妙さ」と、その曲が放つ軽妙さや美しさ、がややスポイルされているように感じる。ベース・ドラムの非ジャズ的な特性と、モンクの「あの感じ」がうまく結合すれば、いいなあと思ったのだけど。編曲の頑張りが、そのような活性化された仕上がり、を抑えているように思えるのだけど。難しいのだろうね、モンクの曲の料理。だから一曲目が一番美味しい。

ありきたりの「現代ジャズ」よりは面白くなる可能性はあるので、この路線での次作に期待したい。

Monk Studies

Monk Studies

モンク・スタディーズ(初回限定盤)(DVD付)

モンク・スタディーズ(初回限定盤)(DVD付)

 

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山中千尋: Monk Studies (2017, Blue Note)
1. Heartbreak Hill (山中千尋)5:06
2. Pannonica(Thelonious Monk) 5:06
3. Nobody Knows - Misterioso(山中千尋/Thelonious Monk) 2:29
4. New Days, New Ways(山中千尋)4:39
5. In Walked Bud(Thelonious Monk) 5:56
6. Rhythm-a-ning(Thelonious Monk) 4:00
7. Ruby, My DearThelonious Monk) 4:38
8. Criss Cross(Thelonious Monk)4:15
9. Hackensack Thelonious Monk) 4:43
10. Abide With Me(Traditional)3:31
山中千尋(p, org, synth), Mark Kelley(b), Deantoni Parks(ds)

中島敦作品集(Kindle) その滋味が

『中島敦作品集・31作品⇒1冊』

『中島敦作品集・31作品⇒1冊』

 

Kindleでフォントを拡大し読むと、老眼にも優しく、とても快適だ。数多くの著作権切れの著作がデータ化され、それがまとめられて電子書籍化され、廉価だ。気になる物を幾つか購入。これは、その1つ。

 漢籍に強く、南洋庁勤務の小説家としか知らなかったが、最近、鉄道での移動中に読み始め、面白味を感じた。それは敗者・消えゆくものへの愛惜、温かい眼差し、かと思う。前世紀の遺物のような老学者、帝国日本の植民地(南洋、朝鮮)の人々、猟官に敗れた人々、小説の脇役、そのような存在に何を仮託していたのだろうか。

wikiで経歴を見るが、東京帝国大学卒業のエリートではあるが、病弱であり、生前、何者にも成り得なかった筆者。それを投影しているのだろうか。33歳でこの世を去る1年くらい前から作品は出版され、そして没後にも多くが世に出ている、とのことだ。

子供の頃に沙悟浄モノを教科書で読んだが、面白くなかった。やはり何者にも成り得なかった、ということを深く感じる老年期への入り口で、その滋味が分かるのだろうか。

 

Misha Mengelberg: Four In One (2000) モンクやドルフィーの「奇妙な味」の継承者

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ミシャとハンの組み合わせの面白さ、は、伝統的なジャズというよりは、(多分)欧州の路上芸とか大衆芸能に根ざしたような非米的なタイム感覚が起こすジャズとの「摩擦熱」のような感覚だと思う。だから4ビートを叩いても、そこには「奇妙な感覚」が付きまとい、それでいて只事ではないドライヴ感を出すものだから、とんでもない快楽を運んでくる。

それはドルフィーとのラスト・デイトにしてもそうだし、後年のICPのアルバムでもそうだ。それは一貫した彼らの魅力だ。

だから、このアルバムは大期待で、Last DateのHypochristmutreefuzzを取り上げたり、モンクの曲を取り上げたり。そして管奏者がデイヴ・ダグラスという非欧州。そこに何か生まれるかも、と思った訳だ。

 残念なことにデイヴ・ダグラスは彼らの「アク」というか「個性」を前に、闘う訳でも、合わせる訳でもなく、ミシャのフレーズをなぞるような、戸惑いのプレイ。アルバムを薄める効果、しかなく残念。あまりに異質なのだろう、彼のレンジの狭さ、を知った。

その点を除けば、ミシャとハンのアルバムとしては面白い。フリー・ジャズと伝統ジャズ(といってもモンク、ドルフィーだけど)の接合点をクスグルような、行き来があって、そのコソばゆさ、が快感。

面白いのは、やはりモンクやドルフィーの「奇妙な味」の継承者は間違いなく非米人である彼らじゃなかろうか、ということだ。

Four In One

Four In One

  • Misha Mengelberg Quartet
  • ジャズ
  • ¥1500
Four in One (Hybr)

Four in One (Hybr)

 

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Misha Mengelberg: Four In One (2000, Songlines Recordings)
1. Hypochristmutreefuzz(Misha Mengelberg) 4:41
2. Reef(Misha Mengelberg) 3:53
3. Kneebus(Misha Mengelberg) 7:13
4. Die Berge Schuetzen Die Heimat(Misha Mengelberg) 2:58
5. Four In One(Thelonious Monk) 4:47
6. Monk's Mood(Thelonious Monk) 8:02
7. Criss Cross(Thelonious Monk) 5:27
8. Blues After Piet(Misha Mengelberg) 8:44
9. Kwela P'Kwana(Misha Mengelberg) 5:24
10. We're Going Out For Italian(Misha Mengelberg) 5:48
11. Poor Wheel(Misha Mengelberg) 2:12
Misha Mengelberg(p), Dave Douglas(tp), Brad Jones(b), Han Bennink(perc)
Recorded September 26, 2000 at Avatar Studios, NYC.

蝶ヶ岳山行(写真編)

DAY-1

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河童橋から穂高

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河童橋から焼岳

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明神岳

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徳沢。稜線はガスのなか。

 

DAY-2

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ヒュッテ周辺、ガスが時折切れる。

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「最近の」頂上

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蝶ヶ岳ヒュッテ

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ブロッケン

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ブロッケン

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蝶槍

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横尾への下降中

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横尾への下降中、涸沢が見える。

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横尾

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徳沢

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再び河童橋から穂高

f:id:kanazawajazzdays:20170812073802j:plain再び河童橋から焼岳(噴煙?)

蝶ヶ岳の山頂の謎(どこだ)

今回、不思議だったのが、山頂が不明瞭だったこと。

持参した1985年頃の山地図では、蝶ヶ岳ヒュッテから北方稜線上にある蝶槍(2664m)が山頂。

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昭文社の地図(1985年頃)。蝶ヶ岳(蝶槍)と記載。なにか曖昧。

 

ところが、近年の地図や現地の標識(最近の地図もそうらしい)では蝶ヶ岳ヒュッテの南、長塀山からの稜線の頭(2677m)が山頂に。そんなに簡単に変更されるのか、という山頂の謎。

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ヤマケイのweb掲載の地図(蝶ヶ岳ヒュッテの南)、ただし蝶ヶ岳三角点はヒュッテ北方

現地の様子は、

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長塀山からの稜線の頭(2677m):標識が真新しい

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蝶槍:ここには三角点はなく、一つ南のピーク(2664m)に!

 

wikiにも、山頂の変更が記載されている。

蝶ヶ岳 - Wikipedia

帰宅してから、国土地理院の二万五千分の一地図を確認してみた。

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蝶槍からヒュッテまでの稜線全体を「蝶ヶ岳」と記載しており、三角点と山頂の関係を明確に定義していない。ここに尤度があり、ヒュッテ周辺の三角点が「蝶ヶ岳山頂」とした、ようだ。

 

蝶ヶ岳(2677m)へ久々の登山

今年はほとんど登山をしていない。源流域への釣行が、深山への想い、のようなものは深く満たしてくれる、ということが大きい。それに加え、ここ2年ばかり、山へ引っ張ってくれた同行者が今年は不活発、なことも大きいかもしれない。過半が単独行で、長距離を踏破していたのが、遠い過去になっている。加齢による体力低下・体重増加が、山での踏破力を奪っていることも感じていて、少し焦りを感じている。

そんな訳で、今年の夏休みは単独でも出かけることを考えていたが、同行者を得て、少しのんびりした山行に出かけた。北アルプス(という書き方にも少し抵抗はあって、本来は飛騨山脈だよね)の蝶ヶ岳(2677m)。燕から南に常念、蝶ヶ岳と並んでいて、やや主脈から外れているが、槍・穂高の山塊を眺めるには好適の山。上高地からの標高差が1000m強であり、足慣らしには良い。

そんな積もりで出かけたが、残念ながら稜線上は曇り。上高地あたりでは、そこそこの晴れだったので残念。槍・穂高の山塊、は次回の楽しみに。しかし、山の日の連休の直前にもかかわらず、蝶ヶ岳ヒュッテの混み具合も酷くなく、また登山道ですれ違う人も少なく、静かな山行だった。

最近の登山では荷を軽くして歩を進めるためにコンロを持参しなかったのだけど、今回はのんびりしたかったので、コンロ持参。何年前に買ったか思い出せないのだけど、知らないオッさんに「懐かしいねえ」と云われた。まあ完全に小屋飯依存だったので、軽荷ではあったのだけど。

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徳沢で珈琲

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蝶ヶ岳ヒュッテで昼食。相棒はお湯を沸かしてカップ麵。

 

 

DAY-1

上高地(7:00)==>徳沢(9:00)==>長塀山(12:30)==>蝶ヶ岳ヒュッテ(13:30)

完全なコースタイム登山。脚力、心肺能力の低下は顕著。

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DAY-2

蝶ヶ岳ヒュッテ周辺・蝶槍までの稜線散策(6:30--8:30)==>横尾への下降点(8:30)==>横尾(10:20/10:50)==>徳沢(11:40/12:30)==>上高地バスターミナル(13:50)

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下山後の温泉は福地温泉の公共の施設:石動の湯へ。平湯が大混雑状態。静かな福地温泉へ。以前行った旅館の入浴は「宿泊優先」で断られ、ここを見つけた。500円で古民家内の落ち着いた温泉、露天付き。なかなか穴場感満点で良かった。

www.soene.com

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